(『天然生活』2021年7月号掲載)
梅雨に起こりやすい不調の原因と対処方法
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
6月に入ると、梅雨がやってきます。この時季、だるさや頭痛、むくみ、疲れなどの不調を感じる人も多いのではないでしょうか。
梅雨どきの不調の原因としては「湿気」「気圧の低下」「寒暖差」の3つが考えられます。湿度が高くなると汗をかきにくくなり、体内の水のめぐりが悪くなる。
これがだるさや頭痛、むくみなどにつながります。また、気圧が低いと副交感神経が優位になり、体がお休みモードになりがち。眠気を感じたりすることが多くなるのはこのためです。
さらには寒暖差が大きいこの時季は、体のエネルギーがそれに適応するために使われてしまうため、疲れやすくなるのです。
では、こうした不調にはどんな対策をすればいいのでしょう。食べ物に関しては、いつもお伝えしているようにその時季の旬のものを食べるのが一番。6月だと豆類やじゃがいも、また夏野菜が出始めるころでしょうか。
また、梅雨の合間に太陽が出た日は、積極的に外に出て日光を浴びることが大事。とくに朝の日光を浴びることが心身に効果的です。さらには、室内でもいいので毎日運動を30分くらいするといいでしょう。
腎臓の機能が衰えている人以外は、梅雨の時季も通常通りに水分を摂ってかまいません。ただし、砂糖や人工甘味料が入っているものは避けましょう。カフェインも同様で、摂る場合は朝の1回だけなど、回数や量に気をつけて。
おすすめはミネラルが豊富なほうじ茶や番茶、玄米茶などです。もうひとつ、食事中に味噌汁以外の水分を摂りすぎると胃酸を薄めてしまうため、気をつけましょう。
この記事が掲載されるころ、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種はどのくらい進んでいるでしょうか。
私は一概にワクチンの接種を反対するわけではありませんが、今回開発されているワクチンの3分の1はDNAワクチン、RNAワクチンという人類にとって初めての「遺伝子ワクチン」。短期的な副作用に関するデータが少ないのが気になるほか、1〜10年後の長期的な副作用も視野に入れた方がよいと考えています。
もちろん、高齢者や重症化リスクが高い人は対策すべき。ただ、接種するかどうかはひとりひとりが正確な情報を基に判断すべきであり、強制されるものではないと思います。
しかし現状では情報もあまり開示されず、賛成派と反対派の両極端になっているのが気がかりです。なにが一番いいのか、さまざまな議論を交わしながら皆で一緒に考えていけたらと願っています。
〈取材・文/嶌 陽子〉
本間真二郎(ほんましんじろう)
小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、大学病院での勤務を経て2009年、栃木県那須烏山市に移住。現在は同市にある「七合診療所」の所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践している。2児の父。