• 東京・秋葉原にある、カフェ風精進料理のお店「こまきしょくどう」おかみの藤井小牧さんが、日々の暮らしや食などを綴ります。精進料理のレシピもときどき紹介。今回は、暑い時季に食べたい、干し豆腐の冷たい麵のお話です。

    年々早くなる日焼け止め解禁日

    例年GWから夏日の観測が出始めますが、今年4月半ばごろから汗をかく日が多かったなと思います。 私も40歳をすぎて数年、割りとそこそこのオトナ。3月半ばには今年の日焼け止めを買い求め、汗をじわっと感じる4月頭頃には2本目になる日焼け止めを買いました。

    日焼け止めなど、子育てや仕事などにかまけて長年気にせず過ごしてきましたが、さすがに「シミ・そばかす」の数と濃さに目をつぶれなくなってきています。

    自然派化粧品を使う友人ですら「40歳過ぎてくると自然派も好きだけど、日焼け止めはしっかり力強いカバー力を期待したい」と、使い分けているといいます。シミ・そばかすだけではなく、「日焼けのダメージによる体力の消耗」から回復する速さも、若い時と比べ格段にダウンしています。オトナの日焼け対策は、早い段階から始めねばならぬとひしひしと感じる青空の眩しさなのです。

    日焼け止めも大事だけれど、「体の中のクールダウン」も必須。

    体が欲する生野菜

    寒い時期はあまり好んで食さないけれど、暑くなると加熱しない生の野菜・果物が恋しくなります。そもそもあまり好き嫌いがないので、体が欲していておいしいと感じるものは体に必要なものであるはずと、食べたい時期はどんどん気にせずに食べています。

    寒い時は忘れがちな糠床を混ぜ漬物にして、生野菜を調味料で揉んだだけ、和えただけ、 なんなら味も付けずにそのままバリバリとかじる……。そんな我がやの食生活は、気温が上がればガス代が下がる傾向にあるので、目に見えてわかります。

    それでも近頃は、暑いからといって冷たいものを食べすぎると、喉の中が閉まる気がするように感じてきたので、氷はあまり口にしなくなり、過度に冷たいものは避けるようになりました。体をやんわり冷ますものがおいしい年頃なのです。

    一昨年くらいからお店のメニューにも取り入れて人気なのが「サラダ麺」

    でも、麺はうどんでもそばでもなく、「豆腐麺」です。この豆腐麺は、つなぎで小麦粉・卵などを一切使わずに、豆腐を薄く伸ばしシート状にして細く切った「干し豆腐」というもので、中華料理店で、ピリ辛味の冷菜メニューで見かけるので、よく注文していました。

    画像: 体が欲する生野菜

    ただ、それらは大体外国産の大豆からできていたので、国産大豆で生産しているという商品の紹介を受けた時は、歓喜でいっぱいに! 選べるのならなるべく国産大豆がうれしいし、農家さんのためにもなるし、なおおいしく感じます。

    冷たい麺料理で食べるのがおすすめの「干し豆腐」

    干し豆腐は中国名では「豆干絲(とうかんすー)」といいます。うちの店で購入している愛知県の豆腐屋さんのものは、決まった分量に添付されている調理水でゆでると表面がなめらかで、ツルツルの仕上がりになります。なので、最近ではヌーハラ(ヌードルハラスメント:麺を音をたてて啜りながら食べること)といわれるそうですが、ズズズー、と啜れるくらいの喉越しになります。

    ゆで上がりを氷水でしめて、両手でよくしぼるのですが、小麦粉の麺ではないのでしぼっても負けないのが干し豆腐の素晴らしいところ。そしてよく水をきり、たれやドレッシングに漬け込むこと5分。やはり小麦粉ではないので伸びないしヘタレない。むしろ染み込みにくいので、しばらく漬け込むことがポイントです。

    画像1: 冷たい麺料理で食べるのがおすすめの「干し豆腐」

    そこに、レタスリーフなどを洗って水切りしてちぎり、にんじんをピーラーでりぼんに引き、トマト、焼いた厚揚げなどを濃いめのドレッシングで和え、味の馴染んだ豆腐麺とあえ混ぜます。

    今回は、ヴィーガンソーセージアスパラで、洋風焼きうどんならぬ、「焼き豆腐麺」にしてみました。

    画像2: 冷たい麺料理で食べるのがおすすめの「干し豆腐」

    野菜から水分が出てしまうので、すぐ食べ始めることがおいしく食べるコツです。昨年の暑さはこの麺で何度救われたことか……。 生野菜をもりもり食べられて、豆腐麺は食べ応えがありよく噛むので、ひとり80gも食べればお腹いっぱいに。さらに「低糖質」ということで、店でも人気の1品です。

    暖かい汁につけるよりも冷たい方がどうも適しているような気がして、私は暑い時期に好んで食べています(最近流行りのちょっと贅沢なラー油をかけてもおいしい)。気温が25度を超えたら食べたくなるので、割とこまめに購入しています。

    今年は梅雨が来ていないうちから猛暑日が観測されています。

    これからの夏の暑さは、お手柔らかにお願いしたいものです。



    画像3: 冷たい麺料理で食べるのがおすすめの「干し豆腐」

    藤井小牧(ふじい・こまき)
    東京・秋葉原にある「カフェ風精進料理 こまきしょくどう」店主。臨済宗僧侶であり、精進料理家としても知られる藤井宗哲氏と、精進料理家の藤井まり氏との間に生まれ、幼いころより精進料理とともに育つ。現在はお店に立つかたわら、東京の生産者・加工業者を応援する活動「メイドイン東京の会」にも参加している。著書『こまき食堂』(扶桑社)が発売中。

    ホームページがリニューアルしました。
    こまきしょくどう 鎌倉不識庵
    https://www.kamakura-komaki.com/

    ウェブショップもできました。
    こまきしょくどう商店
    https://gomagomagohan.stores.jp/

    ※ ※ ※

    天然生活の本『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

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    『こまき食堂』(藤井 小牧・著)

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    B5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08460-8



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