豆腐のこと
古くは奈良時代(710~784年)に、中国に渡った遣唐使の僧侶等によって伝えられたとされていますが、明確な記録はありません。室町時代(1393~1572年)になって、ようやく全国的にもかなり浸透したようです。製造も奈良から京都へと伝わり、次第に全国へと広がっていきました。
本格的に、庶民の食べ物として取り入れられるようになったのは、江戸時代です。天明2年(1782年)に刊行された豆腐料理の本「豆腐百珍」は、爆発的な人気を呼び、翌年「豆腐百珍続編」、翌々年「豆腐百珍余禄」が出版され、当時ブームとなった料理本〈百珍物〉のさきがけとなったといわれております。
その後、豆腐は全国の津々浦々まで普及し、今日では健康食品、ダイエット食品としても注目され、広くご支持頂いているところです。
この間、豆腐製品は、日本の気候、風土、水、あるいは日本人の繊細な気質等にはぐくまれ、日本の豆腐として独自の製品に発展、今日にいたっております。
木綿豆腐の中華風干しエビとにんにくソースかけのつくり方
シンプルな木綿豆腐に中華風の味と香りが染みわたり、本格的な味わいに。
材料(2人分)
● 木綿豆腐 | 1丁 |
● A | |
・ にんにく(みじん切り) | 大さじ1/2 |
・ ごま油 | 大さじ1 |
● B | |
・ 赤とうがらし(みじん切り) | 小さじ1/2 |
・ 生姜(みじん切り) | 大さじ1 |
・ 干しエビ(みじん切り) | 大さじ1と1/2 |
● C | |
・ ナンプラー | 大さじ1 |
・ こしょう | 少々 |
● 青細ねぎ(小口切り) | 5〜6本 |
つくり方
1 木綿豆腐を4等分にしてペーパータオルの上に15分おく。
2 小ぶりのフライパンにAを加え中火で炒め、香味が立ったらBを加え炒め、Cで味を整える。
3 器に2切れの木綿豆腐を置き、半量の青細ねぎを散らす。熱々の2の半量をのせる。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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