なすのこと
なすはインドが原産とされるなす科の一年草で、日本には奈良時代に入ってきたと言われています。当時は「なすび」と呼ばれ、その名残が今でも地域によって残っています。
もともと原産地周辺の東南アジアなどでは日本とは違い、白や緑色のものが一般的です。そのため、英語では"Eggplant"(たまご植物?)と呼ばれるようになったようです。種類は非常に多く、地方によって伝統野菜になっているなど、微妙な特色があります。その店の地方色を出す上でも、地のなすを使い、それを表示するのも、効果がありそうです。
一般によく出回っているものには、「卵型」のものやそれよりやや面長の「長卵型なす」です。あと、大きい「米なす」や、丸型の「賀茂なす」などがよく知られています。また、非常に長い「長なす」やさらに長い「大長なす」、色の白いなすなどもあります。
買ったらなるべく、その日の内に調理する事をおすすめします。そして使う前には、薄い塩水に15分浸けて、なすの鮮度をあげてから使うことが大切です。
焼きなすのつくり方
醤油をかけても、塩を振ってもおいしくいただける。
あたたかいうちに召し上がれ。
材料(2人分)
● 日本なす | 4本 |
● かつおの削り節、おろし生姜、醤油 | 各適量 |
つくり方
1 なすを薄い塩水に15分浸ける。
2 すりこぎ等でなす全単体を、軽く叩き、果肉の密度を均等にして、火の通りをよくする。
3 焼き網を強火で温め、なすをのせて、ときどき位置を変えて火が均一に入るよう、しっかり焼く。このとき、焼きすぎぐらいに焼いてよい。
4 なすが熱いうちに手水を付けて、皮を剥く。このとき、ヘタはそのままにする。なすの粗熱がとれるまで置いたら、ヘタを切り落とし、竹串などで縦に4つに裂く。
5 器に盛り、削り節、おろし生姜を載せ、醤油をかけていただく。
※焼いたなすを出し汁に浸して冷たく冷やしておくと便利。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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