必要な栄養が十分に摂れて、なおかつ、おいしい。元気に日々を過ごすために知っておきたい栄養のポイントと献立3日分を、フードコーディネーター、栄養士の太田静栄さんに教えていただきました。今回は1日目の献立を紹介します。
(『天然生活』2017年5月号掲載)
野菜をとにかくたっぷり。食べ合わせも意識して
日々の食事から摂る栄養素が、私たちの体をつくり、毎日のエネルギー源になってくれます。三大栄養素である、タンパク質、炭水化物、脂質をはじめ、ビタミンやミネラル、食物繊維を、一日で満遍なく摂取できるのが、「バランスのとれた食事」です。
栄養素はそれぞれ、厚生労働省が推奨する基準量がありますが、年齢や体質、生活スタイルによって適した量は多少変わるそう。
「摂取量については、それほど厳密に考えなくても大丈夫。まずは、自分の食事傾向を振り返り、不足しているものを足し、多くとりすぎているものを控えることを意識して食事してみましょう」と、太田静栄さんはいいます。
ところで太田さんは、うらやましいほどの美肌の持ち主。化粧品よりも食事が大切と、きっぱり。
「体を温める食べ物で代謝を上げるようにしています。あとは、ビタミンCやA、鉄分、タンパク質が皮膚の形成に関わるので、やっぱり野菜や果物、肉や魚をバランスよく食べること。ポリフェノールが多い食材もおすすめですよ」
バランスのよい献立【1日目】
昼 /ビビンバ
野菜をたっぷり、お肉と卵で、タンパク質もバランスよく。
エネルギー……558kcal
タンパク質……20.5g
脂質……17.6g
炭水化物……75g
食物繊維……5.4g
カルシウム……149mg
鉄……7.5mg
塩分……3g
*栄養計算は、ひとり分です。
ビビンバの材料(4人分)
● 合いびき肉 | 120g |
● 長ねぎ | 1/2本 |
● A | |
・酒 | 大さじ1 |
・きび砂糖 | 大さじ1 |
・コチュジャン | 大さじ1 |
・おろしにんにく | 少々 |
・しょうゆ | 大さじ1と1/2 |
● にんじん | 1本 |
● 春菊 | 1束 |
● 大根 | 5cm |
● ズッキーニ | 1/2本 |
● 卵 | 4個 |
● ごま油、薄口しょうゆ | 各適量 |
● 塩 | 適量 |
● 酢 | 大さじ1 |
● きび砂糖 | 小さじ1 |
● ごはん | 茶碗4杯分 |
● 好みでコチュジャン、黒ごま | 各適量 |
ビビンバのつくり方
1 フライパンにごま油小さじ1(分量外)を熱し、ひき肉をほぐしながら炒め、半分ほど色が変わったら、粗みじん切りの長ねぎ、Aの調味料を順に加えて炒める。
2 にんじんは細切りにして塩を加えた熱湯で2分ほどゆで、薄口しょうゆ、ごま油でさっとあえる。春菊はざく切りにして塩少々をふって軽くもみ、ごま油、薄口しょうゆ、塩であえる。
3 大根は細切りにして塩もみしてしんなりさせ、しっかりと水けをしぼって、塩、薄口しょうゆ、砂糖、酢であえる。
4 ズッキーニは半月切りにして塩少々をふってしんなりさせ、水けをしぼり、ごま油、塩であえる。
5 フライパンに油を熱し、卵を割り入れて卵白が白くなるまで焼く。
6 丼にごはんを盛り、2~4をのせて5をのせる。お好みでコチュジャンを添えて、黒ごまをふる。
夜 /豚肉の野菜包み
肉と野菜でボリューム満点! ごはんは食べなくてもOK。
エネルギー……561kcal
タンパク質……25.4g
脂質……16.8g
炭水化物……72.9g
食物繊維……4.5g
カルシウム……120mg
鉄……2.9mg
塩分……2.7g
*栄養計算は、ひとり分です。
豚肉の野菜包みの材料(4人分)
● A | |
・豚肩ロースかたまり肉 | 300〜350g |
・長ねぎ(青い部分) | 1本分 |
・しょうが | 1片 |
・酒 | 大さじ2 |
〈野菜〉 | |
● サニーレタス | 8枚 |
● せり(食べやすく切る) | 1束分 |
● 白髪ねぎ | 1/2本分 |
● 白菜(芯に近い葉をゆでたもの) | 適量 |
〈味噌〉 | |
● 長ねぎ(粗みじん切り) | 1/2本分 |
● 味噌 | 大さじ2 |
● 酢、コチュジャン | 各大さじ1 |
● ごま油、砂糖 | 各小さじ1 |
● 赤とうがらし(粗びき) | 少々 |
豚肉の野菜包みのつくり方
1 厚手の鍋にAとかぶるくらいの水(800mL程度・分量外)を入れ、火にかけ、沸騰したらあくを取り、ふたをして弱火で20〜30分、加熱する。豚肉は包丁で切るか、手で粗く裂く。
2 味噌の材料はボウルに入れて混ぜ合わせる。
3 皿に盛って、野菜に、肉、味噌をのせて包んで食べる。
〈撮影/萬田康文 取材・文/熊坂麻美〉
太田静栄(おおた・しずえ)
栄養士、フードコーディネーター。雑誌や企業でのレシピ提案、料理製作と幅広く活躍。週末は、東京・代々木上原のMag By Louiseでキッチンを担当。
http://www.louise-flower.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです