• 必要な栄養が十分に摂れて、なおかつ、おいしい。元気に日々を過ごすために知っておきたい栄養のポイントと献立3日分を、料理研究家、栄養士の今泉久美さんに教えていただきました。今回は2日目の献立を紹介します。
    (『天然生活』2017年5月号掲載)

    バランスのよい献立【2日目】

     /納豆のトマトあえ、味噌汁、ごはん

    のりでビタミンや鉄分をプラス。砂糖代わりの麹の甘酒もポイント。

    画像: 左から時計回り:オレンジ+ヨーグルト 麹の甘酒入り/焼きのり/納豆のトマトあえ/玉ねぎとスナップえんどうの味噌汁/ごはん(120g)

    左から時計回り:オレンジ+ヨーグルト 麹の甘酒入り/焼きのり/納豆のトマトあえ/玉ねぎとスナップえんどうの味噌汁/ごはん(120g)

    エネルギー……479kcal
    タンパク質……17.4g
    脂質……8.2g
    炭水化物……77.5g
    食物繊維……6.2g
    カルシウム……221mg
    鉄……2.4mg
    塩分……1.8g
    *栄養計算は、ひとり分です。

     /牛肉の野菜たっぷり焼きそば

    肉はタンパク質の多い赤身肉を。オイスターソースが味の決め手。

    画像: 左から:きゅうりとねぎ、桜えびのごま油あえ/牛肉の野菜たっぷり焼きそば

    左から:きゅうりとねぎ、桜えびのごま油あえ/牛肉の野菜たっぷり焼きそば

    エネルギー……552kcal
    タンパク質……24.8g
    脂質……16.9g
    炭水化物……70.3g
    食物繊維……6.9g
    カルシウム……88mg
    鉄……2.1mg
    塩分……2.7g
    *栄養計算は、ひとり分です。

    野菜たっぷり焼きそばの材料(2人分)

    ● 中華蒸し麵2玉
    ● 牛赤身切り落とし120g
    ● A
    ・酒大さじ1
    ・塩、こしょう各少々
    ● しめじ小1/2パック
    ● もやし100g
    ● 長ねぎ1/2本
    ● にんじん30g
    ● にら30g
    ● しょうが(せん切り)1片分
    ● オリーブオイル大さじ1
    ● B
    ・オイスターソース大さじ1
    ・酒大さじ1
    ・塩、こしょう各ごく少々

    野菜たっぷり焼きそばのつくり方

     牛肉は食べやすく切り、をからめる。

     しめじは石づきを取ってほぐし、もやしは洗って水けをきる。長ねぎは縦半分に切って斜め薄切り、にんじんはせん切り、にらは3~4cmに切る。

     耐熱皿に麵をのせてふんわりラップし、レンジに2分半かける。

     フライパンにオリーブオイルを熱し、牛肉としょうがを炒め、にんじん、しめじを炒める。肉に火がとおったらもやしと長ねぎを加えて1分炒め、麵を加えてほぐし、で調味する。

     /まぐろと玉子のごまたれ丼、豚しゃぶ・切り干し・水菜の煮びたし

    マグロの赤身は高タンパク低脂肪。酢飯には酢だけ加え、カロリー、塩分をカット。

    画像: 左上から時計回り:里いもの甘味噌だれ/豚しゃぶ・切り干し・水菜の煮びたし/お茶 適量/セロリの浅漬け/まぐろ、玉子のごまたれ丼

    左上から時計回り:里いもの甘味噌だれ/豚しゃぶ・切り干し・水菜の煮びたし/お茶 適量/セロリの浅漬け/まぐろ、玉子のごまたれ丼

    エネルギー……615kcal
    タンパク質……34.1g
    脂質……15.1g
    炭水化物……80.7g
    食物繊維……7.7g
    カルシウム……318mg
    鉄……5.1mg
    塩分……3g
    *栄養計算は、ひとり分です。

    豚しゃぶ・切り干し・水菜の煮びたしの材料とつくり方(2人分)

     切り干し大根(10g)は洗って15分ほどひたひたの水につけ、水けをしぼり、鍋に入れる。調味料(だし1カップ、薄口しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、酒大さじ1)を入れて煮立て、ふたをして3分煮る。

     豚ロースしゃぶしゃぶ用肉140gを入れてあくをひき、中火強にして、5cm幅に切った水菜(100g)を、軸、葉の順に加えてさっと煮て、汁を少しかけて盛る。

    栄養素も塩分量も、一日のうちで足し算引き算

    大切なのは、できるだけ塩分を控えること

    栄養のバランス以外に大切なのは、できるだけ塩分を控えること。減塩は高血圧などの生活習慣病予防に効果があるだけでなく、ダイエットや体質改善にも密接な関わりがあるといいます。

    「現代人は外食も多く、塩分過多になりがちです。塩辛いものを食べるから水分も多く摂ってしまい、結果的にむくみにつながってしまう。病気予防ももちろんですが、減塩するだけで見た目もスッキリするし、徐々に体が軽やかになることを実感できるはずです」

    一日の塩分量の目安は、女性なら6.5g未満、男性なら7.5g未満。

    今回、今泉さんが教えてくれたのは、一日の塩分量を7.5g程度に抑えた献立です。

    どの料理もやさしい味で、素材そのものの味わいが感じられ、不思議と、もの足りなさはありません。むしろ、日頃、食べ慣れた味がどれだけ濃いものだったか、気づかされます。

    「薄味と感じる人が多いかもしれませんが、これが健康を考えるうえで適正な塩分量。まず、この味を知っておくことが大切だし、薄味は徐々に慣れていくものです」

    塩分は目分量だとどうしても味が濃くなりがちになる、と今泉さん。料理をするときはきちんと調味料を計量し、だし、酢、香味野菜、スパイスを利かせるのがおいしさの秘訣です。




    〈撮影/萬田康文 スタイリング/竹内万貴 取材・文/熊坂麻美〉

    画像: 大切なのは、できるだけ塩分を控えること

    今泉久美(いまいずみ・くみ)
    栄養士、料理研究家として雑誌やテレビで活躍するほか、女子栄養大学栄養クリニックの特別講師も。著書は『「ストウブ」で和食を!早く煮えてうまみたっぷり』(文化出版局)。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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