わが家の手芸男子と愛猫トラの冬時間
みなさんこんにちは。愛媛で小さな自給自足を楽しんでいる池田じゅんみです。今回は、わが家の冬ごもりについて、少しお話したいと思います。
冬の時季は、子どもも手を動かしたくなるようです。
突然、マイ手芸道具を引っぱり出し、ごそごそと何やらつくり始めました。11歳になる息子は、去年から始まった家庭科での手芸が気に入っている様子。手芸男子、か、かわいい。
そんなアニキの様子をそばで見つめるトラちゃんは、とにかくアニキが大好き。いつも一緒にいてくれます。互いに気の合う小さな妹のようです。
この日、端切れのフェルトでつくっていたものは、愛猫にゃんズたちのねずみのおもちゃ。アニキと小さな妹の相思相愛っぷりにクラクラして、鼻血があふれ出そうになる私。しかし、この時は何度も失敗したらしく、やむなく中断。
後日、あきらめずにつくりきった完成品を発表してくれたのがこちらです。
11歳の閃きで、おもちゃづくりから軌道修正。味わいたっぷりの首輪に進化していました。
名前も愛情込めてちくちく刺しゅうを。萌え萌えすぎて胸が苦しくなります。そんな愛しすぎる名コンビに、ただただ毎日癒されています。
わが家の手づくり歳時記「きのこの栽培」
きのこ栽培のきっかけ
数年前から所属している林業研究会での活動のひとつに、小学校や保育園で行われる森林環境教室の手伝いがあります。そこでは地域の山のプロの方たちが先生となり、しいたけの植菌や森林の役割など、さまざまなことを学んでいきます。
教室が終わり、余った原木を分けてもらいました。
いよいよ、わが家でも、きのこ栽培のスタートです。
実は一度、ホームセンターでしいたけ栽培キットを買って試したことがあるのですが、日が経てども経てども、うんともすんともいわず、失敗の原因も分からぬまま、ちんぷんかんぷんで終わった経験があります。
原木きのこ栽培のプロでもある山のお師匠さんに連日くっついて、樹種を選んで木を切るところから正しいやり方をたっぷりと教えてもらいました。
電動ドリルと金づちを使って植菌した後は、「半年ほど原木を横に寝かせて菌をまわすこと」「雨がたっぷりと当たり、日陰で風が通らない場所に配置すること」などを教えてもらいました。早春に植菌した原木からきのこが出るのは翌年の秋です。収穫まで時間がかかることも学びました。
小さな庭で原木きのこ狩り
10月下旬から11月にかけて冷え込んでくるころ、突然目を覚ます庭の原木しいたけ。薪棚の隅っこでひっそりとしていた、しいたけゾーンが一気に華やぎます。
本来は、山などの湿度が高い場所での栽培が適切なきのこ栽培。常に海風が通り抜けるわが家の庭ではどうしても原木を乾燥させてしまうため、日に2~3回の水やりで湿度補給を続ける必要があります。
1年半が経とうとしたころ、2019年3月に植菌したしいたけが目覚めて生えだしたときは胸が高鳴りました。ぷくっと出てきた小さな芽がなんてめんこいの。
山の香りが広がる原木しいたけピザ
それからは順調にぽつぽつと収穫できるようになってきました。しいたけレシピのレパートリーを増やしたいと思っていたある日、ふと閃いて、採れたてのしいたけをピザに乗せてみることに。「うまーい!」おいしすぎて目がまんまるになりました。それ以来、しいたけピザもわが家の定番になったことはいうまでもありません。
スーパーでよく見かける一般的な菌床しいたけと、原木しいたけとの違いは何といっても強い香りです。原木しいたけは、深い森林とふかふかの土のような山のよい香りがしっかりと感じられます。
加熱するとさらに風味が増し、口いっぱいにおいしさとうま味が広がって、鼻から抜けて、とにかく顔がゆるみます。
しいたけのほかにも、原木ヒラタケの栽培も始めました。山では、原木なめこときくらげも習いました。
食べきれないときは、天日干しでしっかり乾燥させて保存食にしておきます。乾燥したものも香りがよく、いい出汁がとれるんですよ。
見た目も、味も、香りも、なんとも幸せな原木きのこが、自宅の庭で栽培できるようになるなんて感激です。日に日に変化するかわいいきのこたちの様子を見に、寒い日も庭に出たくなってしまいます。
池田じゅんみ(いけだ・じゅんみ)
Instagram:@junmiikeda