満開の桜が、幸せを運ぶ
桜の花は、古来より田植えの準備の始まりを告げる大切な花でした。また、華やかに花開いた後に潔く散ってゆく姿から「雅」や「無常」の象徴とされ、日本人の美意識の象徴とされてきました。
どの時代にも人々に愛されてきた桜の花は様々な形で紋様化されてきましたが、「亀二号 桜」では、互いに重なり合って満開に咲き誇る姿が描かれています。
花弁の重なり合う部分の描線を大胆にそぎ落とした江戸風のデザインで、白く明るい花弁がふんわりと広がる様子をうまく伝えています。
無病息災のお守り
瓢箪は、実の中に薬を入れて無病息災のお守りとされていました。
また、末広がりで縁起の良い形、たくさんの実をつけることから実り多い日々を表しています。
「雁八号 瓢箪」は、細やかな瓢箪を画面いっぱいに散らしたにぎやかな柄です。
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12柄の柄に込められた想いについて、6回にわたってお伝えしてきました。
ぜひ、好きな柄を選んでつくってみてくださいね。
<図案提供/榛原 撮影/山川修一>
「綴じ込み付録 天然生活×はいばらのポチ袋」は、2021年12月20日発売の『天然生活2月号』の付録です。好みの柄を選んで、自分で切ってつくるポチ袋です。
第1回 「雪一号 六花」「雁五号 尾長鳥に牡丹」 >>
第2回 「亀六号 松竹梅」「鶴三号 小桜」 >>
第3回 「亀七号 牡丹」「雪十八号 雲立涌」 >>
第4回 「番外松竹梅一号 松竹梅」「雪六号 宝づくし」 >>
第5回 「雪九号 蝶」「雪十六号 山みち」 >>
榛原(はいばら)
文化三年(1806年)に和紙小物販売店として開業。以来200年以上、東京日本橋で和紙や紙製品の販売を行う。竹久夢二や川端玉章など、絵師との交流も深く、その図案を用いた便箋や千代紙なども扱う。