家庭パンづくりの第一人者・高橋雅子さんによる、ホームベーカリーでつくる「しっとり生食パン」を紹介します。「しっとり生食パン」は、トーストせずにそのまま食べるのに適した配合を追求しています。高級食パン専門店のような本格的な食感と味わいを、自宅でつくれたらうれしいですね。アレンジレシピの「オレオ生食パン」、生食パンを使った「きゅうりの生サンド」も、ぜひお試しください。
(『ホームベーカリーで作るプレミアム食パンとハイブリッド食パン』より)
しっとり生食パンのつくり方
オーソドックスな「定番食パン」を考えて、行き着いたのがこちら。
耳までしっとり。適度な弾力とほどよい甘さで、アレンジも自在。焼かずにそのまま味わいたいパンです。
材料(1斤型1台分)
● 強力粉(「春よ恋」を使用) | 250g |
● インスタントドライイースト | 2.5g |
● 砂糖 | 10g |
● 塩 | 4g |
● 全脂粉乳(クリープ) | 10g |
● 水 | 160g |
● プレーンヨーグルト | 30g |
● はちみつ | 12g |
● バター(食塩不使用。1cm角に切る) ※使う直前まで冷蔵庫に入れておく | 15g |
少しのイーストでつくる場合(天然酵母コース) イースト…… 0.6g
イーストの量を少なくする代わりに発酵時間を長くとる「天然酵母コース」の使用も可能です。イーストを減らすことで特有の香りが少なくなり、粉の風味が味わえるのが利点。その場合は、分量に記載されているイーストの量を1/4にするといいでしょう。ほかの材料はすべて、そのままでつくることができます。
通常よりふくらみが弱いかもしれませんが、しっとり焼きあがるように思います。焼き上げまで7時間ほどかかりますが、長く発酵させることで生地が熟成されてうまみが増します。時間があるときに試してみてください。
つくり方
1 パンケースに羽根をセットし、水、プレーンヨーグルト、はちみつを入れる。その上に強力粉、砂糖、塩、全脂粉乳を入れる。その上にイーストとバターを、触れないように離して入れる。
2 「食パンコース」を選択し、スタートボタンを押す。
3 焼き上がったら、すぐにパンケースから取り出す。網において粗熱をとる。
アレンジレシピ
オレオ生食パンのつくり方
生地の中にもトップにもオレオが詰まったキュートなパン。ほろ苦さも魅力です。
材料(1斤型1台分)
● 「しっとり生食パン」の材料 | 全量 |
● オレオビッツサンド(混ぜ込み用) | 45g |
● オレオビッツサンド(トッピング用) | 8個 |
つくり方
1 「しっとり生食パン」のつくり方1 2と同様に材料を入れ、スタートさせる。スタートから80分後にふたを開け、混ぜ込み用のオレオを加える。
2 トッピング用のオレオはクリームを取り除き、クッキーだけにしておく。
※竹串をクッキーとクリームの間に差し込むと簡単に外すことができる。
3 焼き上がりの40分前になったらふたを開ける。生地表面にハサミで切り込みを入れ、オレオを差し込む。
2をトッピングする。
4 焼き上がったら、すぐにパンケースから取り出す。網において粗熱をとる。
食べ方提案
「しっとり生食パン」で、きゅうりの生サンド
生食パンのしっとり感を味わうシンプルなサンドウィッチ。きゅうりの水切りがポイントです。
材料(1〜2人分)
● しっとり生食パン(薄めのスライス) | 2枚 |
● きゅうり | 1/2本 |
● 塩 | 少々 |
● バター(食塩不使用) | 8g |
● からし(チューブ) | 2cm分(お好みで) |
つくり方
1 きゅうりを2mm厚さの斜め薄切りにする。バットに並べて軽く塩をふり、しばらくおく。出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取る。
2 パンの内側になる面にバターを塗り、1枚にからしも塗る。きゅうりを一面に並べ、パンを重ねる。
3 パンの耳部分を切り落とし、食べやすい大きさに切る。
本記事は『ホームベーカリーで作るプレミアム食パンとハイブリッド食パン』(PARCO出版)からの抜粋です
〈撮影/馬場わかな スタイリング/岩﨑牧子〉
高橋雅子(たかはし・まさこ)
1969年神奈川県生まれ。22歳から製パンスクールに通い、ル・コルドン・ブルーでさらに製パンを学ぶ。また、日本ソムリエ協会ワインアドバイザーの資格を取得。1999年より、パンとワインの教室「わいんのある12ヶ月」を主宰。全国各地から生徒が集まり、ウエイティングは1年以上という盛況ぶり。2009年ベーグル販売とカフェ「テコナベーグルワークス」を開店。
わいんのある12カ月:http://www.wine12.com/
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家庭製パンの第一人者、高橋雅子さんが、ホームベーカリーを徹底研究。高級食パン専門店の味「プレミアム食パン」と、クロワッサン、ブリオッシュ、バゲットなど、パンとスイーツを掛け合わせた「ハイブリッド食パン」の全65種を紹介します。
「ホームベーカリーは簡単そうで、実は奥深いところが魅力。水分やバターがたっぷりの生地だって、手ごねよりも手早く上手にこねてくれます。タイミングを見計らって生地を取り出して具を入れたり、トッピングをのせたりもできます。ホームベーカリーで、こんなパンがつくれるんだ! その感動を、ぜひ体験してください」(高橋雅子さん)