• 料理家のくしまけんじさんに、手頃なまぐろでつくってもとびきりおいしい、自慢の「ツナ」のつくり方を教えてもらいました。今度の週末につくってみませんか?
    (『天然生活』2016年1月号掲載)

    合わせる食材や調理法によって表情を変える

    東京・西荻窪で「食堂 くしま」を営んでいた(※2020年8月に閉店)、料理人のくしまけんじさん。

    くしまさんのつくる料理のベースには、留学のために渡ったイタリアでホームステイ先のマンマたちに教えてもらった、各地方の家庭料理があります。

    「教えてもらった料理をそのまま再現するのではなく、自分なりに組み立ててからレシピをつくっています。ツナは、イタリアでもパスタやサラダに使われる一般的な食材ですが、自宅でつくればハーブやスパイスで自分なりにアレンジをすることができます」

    画像: 調理道具は家庭的なものを愛用。ル・クルーゼの鍋は実家から譲り受けたもの

    調理道具は家庭的なものを愛用。ル・クルーゼの鍋は実家から譲り受けたもの

    今回、教えてくださるツナは、以前、お店で前菜として出していた人気メニュー

    「もともとは、当時、家で晩酌をしていたときに、よくつまみとして食べていたものだったんです。自分がそのとき本当に食べたいものをお客さんにも味わってほしいので、お店のメニューは、自分の食生活を反映したものが多いです」

    くしまさんがつくるお料理は、野菜との相性も抜群なのがうれしいところです。

    「脂ののっていない、手頃な値段で手に入るまぐろで十分。冷やしたものをほぐしてサラダなどに使ってもよいのですが、塊でできるので、ほんのり温かいうちに、サラダを添えて食べるのがおすすめです」

    画像: 愛用しているお皿は、すべて、どんな料理をも引き立ててくれる白色のもの

    愛用しているお皿は、すべて、どんな料理をも引き立ててくれる白色のもの

    料理家・くしまけんじさん
    「ツナ」のつくり方

    油でじっくりと加熱するので、脂身の少ない赤身で十分。サラダにしても、サンドイッチにはさんでも。使い方、自由自在。

    画像: 自分でつくれば塊でできるので、ナイフとフォークでステーキのようにも食べられる

    自分でつくれば塊でできるので、ナイフとフォークでステーキのようにも食べられる

    〈保存方法・期間〉

    オイルにしっかりと漬かった状態で冷蔵庫で1週間

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

     約250gのまぐろのさく2本の水けを取り、塩をすべての面にしっかりとふる。

    画像: 塩をしっかりとふることで水けが抜け、味がしみ込みやすくなる

    塩をしっかりとふることで水けが抜け、味がしみ込みやすくなる

     そのまま30分ほどおくと塩が中まで浸透し、水けが出てくるので、キッチンペーパーで押さえて取る。

    画像: 水けをしっかりと取る。魚特有の生ぐささも一緒に取れる

    水けをしっかりと取る。魚特有の生ぐささも一緒に取れる

     厚手の鍋にを入れ、かぶるくらいのエクストラバージンオリーブオイルを注ぐ(*)

    * 鍋の底面積に合ったまぐろの量にすると、使う油が少なくてすむ。

     にんにく1片をつぶしたもの、黒こしょう10粒、タイムの枝5本、ローリエ1枚、レモンの皮(できれば国産のもの)適量を加えて、ふたをせずに中弱火にかける。

    画像: 使用するハーブは好みで替えてもよい。ローズマリーやセロリの葉などでも

    使用するハーブは好みで替えてもよい。ローズマリーやセロリの葉などでも

     表面の色が全体に白っぽくなったら火を止める。ふたをし、そのまま粗熱が取れるまでおき、余熱で中まで火をとおす。

    画像: 常にオイルがかぶった状態になるよう、様子をみながら加熱する

    常にオイルがかぶった状態になるよう、様子をみながら加熱する

     
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    〈撮影/川村 隆 取材・文/髙田真莉絵〉

    画像: 材料とつくり方(つくりやすい分量)

    くしま・けんじ
    料理家。2020年まで東京で「食堂くしま」を営み、野菜料理に定評あり。著書に『食堂 くしまのレシピ帖 僕のしあわせなごはん』(中央公論社)がある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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