手を動かして季節を楽しむためのアイデアを、愛媛で小さな自給自足の日々を送る池田じゅんみさんの暮らしを通して紹介します。あっという間に過ぎ去る季節。いましかできない楽しいあれこれ、やり残していませんか? 今回は、奥深い、手づくりキムチの世界のお話です。
栽培から楽しむキムチづくり
みなさま、こんにちは。愛媛で小さな自給自足の暮らしを楽しむ、池田じゅんみです。
うま味たっぷりのおいしくてヘルシーな発酵食キムチ。好きな方も多いと思います。
私も大好きで、これまで韓国には4度行き本場のいろんなキムチを食べてきました。
そんなキムチを材料の栽培から自分でつくれるようになれたらうれしいなあと、キムチづくりも毎年練習していることのひとつ。今年に入ってからはこれで6回目になります。
自給自足できているキムチの材料は、白菜・大根・ねぎ・にんにく・しょうが・玉ねぎ・にんじん・ごま・赤とうがらし。秋の終わりごろまでならにらもあります(材料が足りなければ買います)。
ところがですね、白菜は栽培が難しい野菜のひとつでして……。虫たちにかなり好かれるし、結球したりしなっかたり、いろいろと大変。化学肥料に頼らず、糠や木灰やコンポスト堆肥などで有機栽培しているので、なかなか大きくは育ちません。もちろん、私の技術不足でございます……。
それでもなんとか、味がぎゅっとつまった(濃い気がする?)白菜を無事収穫。
畑を始めたころは虫くいが、いまよりもっとすごかったので、土と作物と虫達との環境のバランスが落ち着いてきたのかもしれません。
それでも一歩一歩。おいしいキムチへと続く道
それでも自家製キムチは、今年に入ってからは、毎回大盛りつくっても数日でなくなるぐらいおいしくできるようになってきたみたい。グルメな夫の箸がよくすすんでいる姿を見ては、心の中でガッツポーズ。
時間と手間のかかるキムチづくりですが、1日目は「白菜の塩づけ&ヤンニョムを仕込む」、翌日は「白菜の水分を絞る&ヤンニョムと和える」と、工程を2日に分けるとつくりやすくなります。冬ならその後は、常温で4~5日ほどおいて発酵を待ちます。
失敗も大切な勉強です
こつこつやってきた保存食づくりはかれこれ12年ほどになります。なかでもキムチは特に難しくて、薄かったりしょっぱかったり、うま味が足りなかったり、辛すぎたり……と、なかなか安定しません。「あと少しで理想に手が届くかも!」と光が見えたのは、今年が初めてです。
そうそう、一番の大失敗といえば、沢山収穫できた鷹の爪をたっぷり使ったときのこと。それはそれは地獄の辛さで、ひと口で口の中が「あいたたたー」。涙と鼻水が止まらず泣きながら調べたら、使ったものはキムチ用の辛くないとうがらしとは別物と知りました。とうがらしの辛さのことをよく考えもせず、頭からすっぽり抜けていた自分を思い出す度、苦笑い。
材料の栽培から楽しんでいるキムチづくり。練習すればするほど、好みの味に近づいていく確かな感覚が、次の練習への励みにもなり、これが私の栄養となって、エネルギーとなって、ぐるぐる循環していきます。
インターネットで手早くレシピが検索できるけれど、自分の感覚を頼りに、先を急ぎすぎないマイペースな試行錯誤を楽しんでいます。