• やる気が出ない、疲れやすい。そんな不調を感じている人は、「タンパク質」が不足しているのかも? 料理家の田内しょうこさんが体力向上のために取り組んだ「朝ごはん×タンパク質」改革を紹介します。今回は、1日に必要なタンパク質量と、卵以外でタンパク質朝ごはんについて。

    「タンパク質×朝ごはん」改革で1年。「運動したい!」と思うように

    画像: 「タンパク質×朝ごはん」改革で1年。「運動したい!」と思うように

    料理家の田内しょうこです。みなさん、朝ごはんはしっかり食べていますか?

    やる気が出ない、だるくて駅の階段すらつらい、帰宅したらソファにへたりこむ……という状態だったわたしが、朝ごはん改革でめちゃくちゃ体力が上がって元気になった話をご紹介します。

    「朝ごはんをきちんと食べる」と同時に「タンパク質をしっかり摂る」ことで、徐々に体調を取り戻し、1年経ったいまでは丸一日の立ち仕事も難なくこなすのみならず、日々の運動まではじめてしまうほど! 「運動をしたい」なんて思ったのは人生50年で初めてのことです。

    料理を仕事にしながら、朝ごはんをとるのは苦手だったわたしが、どうやって朝ごはん改革に取り組み、実践していったのか。どうぞおつきあいください。

    ほとんどの人は「タンパク質不足」に陥っている?

    画像: ほとんどの人は「タンパク質不足」に陥っている?

    「カップヌードル」にまで「高タンパク」版が出るくらい、タンパク質強化の商品が増えてきたこの頃。ヨーグルトのパッケージも以前よりも「タンパク質」の文字が大きくなっている気がします。

    運動嫌いで「タンパク質とか、アスリートのためのものでしょ」と思っていたわたしですら、どうやら自分にも「タンパク質が必要らしい」と意識するようになったくらいですから、とうに意識している方も多いのではないでしょうか。

    でも、そもそも自分がタンパク質不足かどうかなんて、わからないですよね。わたしは「なんとか元気になりたい!」と藁をも掴むつもりでとりあえず始めたタンパク質強化生活が結果的にハマりましたが、「タンパク質が足りていないかも……」なんて意識したことは一度もありませんでした。

    ですが、スポーツ栄養学専門家の友人は、「タンパク質は日常生活や最低限の筋力を維持するためにも必須。不足すると、自分の筋肉内のタンパク質を使うようになるから、仮に運動していても筋力はどんどん弱ってしまうよ」と言うではありませんか!

    知らないとは恐ろしいことで、わたしはただでさえ体力が低下している自覚があったのに、「もう40代だし、運動もしないからそんなに肉はいらないわ」と勝手に判断をして食べる量を減らしていたことで、ただでさえ弱っていた体をさらに削り取りながら暮らしていたのだと後からわかり震え上がりました。

    そりゃあ、どんどん弱っていくわけです。タンパク質強化の朝ごはんに切り替える時期がもう少し遅かったら「加齢で弱る×栄養不足で弱る=気力すらなくなり動けなくなる」という負のループにどっぷりはまっていただろうと思います。

    最近読んだ本には、「ほとんどの女性はタンパク質と鉄分が足りていない」と言うお医者さんの言葉もありました。よほど意識して肉や魚、乳製品などを摂っていない限り、タンパク質は不足していると考えたほうがよいでしょう。

    1日のタンパク質の必要量

    成人女性に必要なタンパク質量は1日あたり「体重1kgにつき1g」、つまり平均すると50〜60gくらいだそうです。運動をしている方ならば、これの1.5倍を目指した方がよいとのこと。卵1個に含まれるたんぱく質が約6.2gで1日の1割くらいと考えると、必要量を摂るのはなかなか大変です。

    先のスポーツ栄養学の専門家によると、運動のあとには30分以内にタンパク質を補わないといけない、というほど筋肉維持にタンパク質は必要だそう。アスリートではないわたしたちでも同じこと。1日をスタートするときにタンパク質貯金がゼロだと、動くたびに体の筋肉内のタンパク質が使われていくということになってしまいます。

    実際にはそんなに単純な話ではないでしょうが、朝ごはんにタンパク質をしっかり摂っておくことに越したことはなさそうです。

    鶏むね、そば、ちくわ、大豆。卵以外でタンパク質を摂るおすすめ朝ごはん

    朝に食が進まないとき、「まずは卵1個」を目標に朝ごはん改革に取り組むのがおすすめですが、卵ばっかりでは飽きてしまいますよね。でも大丈夫! 卵のほかにもタンパク質が含まれた食材はたくさんあります。

    豆腐などの大豆製品、しらすや干物などの魚類、かまぼこ・ちくわなどの魚加工品、ベーコン・ハム・ウィンナーなどの肉加工品、乳製品など。そのほか米、パン(小麦粉)、そば粉などの穀類にもタンパク質は含まれています。

    今回は、卵以外でたんぱく質を効率よく摂取できる朝ごはんのメニューをご紹介します。

    鶏むね肉でとるタンパク質朝ごはん
    鶏そぼろ丼

    画像: 鶏むね肉でとるタンパク質朝ごはん 鶏そぼろ丼

    電子レンジで手軽に。耐熱容器にひき肉と酒、醤油、砂糖を入れて混ぜ合わせ、加熱してフォークなどでほぐせばできあがり。つくりおきにもおすすめです。低脂肪高タンパクの鶏むねのひき肉を使えば、より効率よくタンパク質がとれます。

    そば粉でとるタンパク質朝ごはん
    おかめそば

    画像: そば粉でとるタンパク質朝ごはん おかめそば

    そばは米やパンよりもタンパク質含有量が多いうえ、食べても血糖値が上がりづらい低GIの優秀な食材です。冬は冷たく、夏は冷たく。かまぼこや鶏肉、伊達巻などのタンパク質食材をのせたおかめそば、油あげをのせたきつねそばなどがおすすめ。

    魚加工品でとるタンパク質朝ごはん
    ちくわのナンプラーバタートースト

    画像: 魚加工品でとるタンパク質朝ごはん ちくわのナンプラーバタートースト

    ちくわをバターで炒めてナンプラーをからめるとアンチョビバターのような風味に。さっぱり野菜と組み合わせて、アジア風の味わいが楽しいトーストです。

    大豆でとるタンパク質朝ごはん
    豆腐納豆ごはん

    画像1: 大豆でとるタンパク質朝ごはん 豆腐納豆ごはん

    豆腐と納豆の大豆タンパク質もりもりのごはん。歯触りと香りのよいみょうが、白ごまを添えて。塩こんぶがアクセントになり、暑い日の朝にもおいしく食べられます。

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    こうした食材を組み合わせて、飽きずに楽しく「朝ごはん×たんぱく質」の習慣をつくっていけるようになるといいですね。ぜひ、参考にしてみてください。



    画像2: 大豆でとるタンパク質朝ごはん 豆腐納豆ごはん

    田内しょうこ(たうち・しょうこ)
    「忙しい人のための時短料理」「時間価値を生むシステム料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
    インスタグラム:@tauchi.shoko
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