• 気になる「浴室のカビ対策」について、ナチュラルクリーニングを提唱する本橋ひろえさんに教わります。気温も湿度も高まる梅雨入り前こそ、カビの原因を取り除く、絶好の機会です。
    (『天然生活』2020年7月号掲載)

    まず取りかかりたい「浴室」のリセット掃除法

    浴室や台所は、カビの発生条件がそろいやすい場所の代表格。カビが潜みやすい個所別に「浴室」の掃除法を解説します。

    浴室

    家のカビの多くは浴室出身。各個所の汚れに合った掃除を

    本橋さんの自宅では、浴室だけでなく、洗面所にもカビが生えないそう。

    「浴室のカビや雑菌が空気中を漂い、ほかの場所に移動して生える場合が多いのです」

    それだけ浴室のリセット掃除は重要

    「浴室掃除は大変なイメージもありますが、台所のあぶら汚れにくらべたら大したものではありません。ただ、汚れの種類が多いので、適切な洗浄剤と掃除法で対処しましょう」

    一気にやらず、何カ所かに分けて行っても。

    「肌に安心な重曹を使う個所は、入浴の最中にできます。リセット後も、定期的な “ながら掃除” がおすすめ」

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    役立つ掃除道具

    メッシュクロス

    画像: 薄く、乾きやすく、こすり掃除にぴったり。「洗剤が残りやすく、乾きにくいスポンジにくらべ、道具自体の掃除に手間がかかりません」

    薄く、乾きやすく、こすり掃除にぴったり。「洗剤が残りやすく、乾きにくいスポンジにくらべ、道具自体の掃除に手間がかかりません」

    先細ブラシ

    画像: 細かい部分の汚れのかき出し用。古い歯ブラシでは、際の汚れが届きにくいので、ブラシの先端が斜めに飛び出ている形のブラシを用意

    細かい部分の汚れのかき出し用。古い歯ブラシでは、際の汚れが届きにくいので、ブラシの先端が斜めに飛び出ている形のブラシを用意

    スクイージ

    画像: 浴室の壁や床などの面の水けをきるために、欠かせない道具。クロスで拭うよりもしっかり水けを取り除けて、浴室のカビ予防に効果を発揮

    浴室の壁や床などの面の水けをきるために、欠かせない道具。クロスで拭うよりもしっかり水けを取り除けて、浴室のカビ予防に効果を発揮

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    重曹を粉のまま床に振りかけて、一般的な浴室ブラシで全面をこすります。汚れが残りやすい壁と床の境目や溝の部分などは先細ブラシで重点的にこすりましょう。

    シャワーの水で流したあと、スクイージで水けをきるのを忘れずに。

    画像: 重曹を粉のまま振りかけて、浴室ブラシで全面をこする

    重曹を粉のまま振りかけて、浴室ブラシで全面をこする

    使用アイテム:

    画像1: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像2: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像3: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    風呂釜

    追いだき機能を使う頻度が高いほど、雑菌まみれに。リセット以降も定期的に除菌を、と本橋さん。

    「浴槽の湯を残す習慣があれば見直して。湯が冷め、30℃を下まわるあたりで菌が増殖します。大地震の備えとしても、いまは推奨されていません」

    掃除法は、循環口の穴の上まで水を張り、過炭酸ナトリウム2カップを入れ、最高温度に設定して追いだきをし、風呂釜に循環させます。浴室の小物もつけるときれいに。

    排水し、すすぎのため再度水を張って追いだきを。

    画像: 循環口の穴の上まで水を張り、過炭酸ナトリウム2カップを入れ、最高温度に設定して追いだきする

    循環口の穴の上まで水を張り、過炭酸ナトリウム2カップを入れ、最高温度に設定して追いだきする

    使用アイテム:

    画像4: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    壁・浴槽

    重曹をかけたメッシュクロスでこすって水で流し、壁と浴槽の外側はスクイージで水切りを。

    水あかがつく浴槽外側には、さらにクエン酸水をスプレーし、ペーパータオルを貼って再び吹きかけ、10分ほど経ったらクロスでこすって。

    画像: 重曹をかけたメッシュクロスでこする

    重曹をかけたメッシュクロスでこする

    使用アイテム:

    画像5: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像6: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像7: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像8: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    天井

    汚れや水分のたまりやすい床などの下部にカビが生えていると、目には見えないカビの胞子が飛び散り、天井にもつきます。

    全体を湯でシャワーして、スクイージで水をきって乾かしたあと、アルコールを全体的に吹きかけましょう。

    画像: スクイージで水をきってから、アルコールを全体的に吹きかける

    スクイージで水をきってから、アルコールを全体的に吹きかける

    使用アイテム:

    画像9: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像10: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    排水口

    ふたやごみ受け、排水トラップなどを外し、ごみや髪の毛を除いたら、重曹を振りかけたメッシュクロスでヌメリや黒カビを除去。

    黄ばみや黒ずみがあれば、過炭酸ナトリウムを溶かした湯に30分ほどつけおきを。最後に乾かします。

    画像: 重曹を振りかけたメッシュクロスでこする

    重曹を振りかけたメッシュクロスでこする

    画像1: 排水口
    画像: 過炭酸ナトリウムを溶かした湯に30分ほどつけおく

    過炭酸ナトリウムを溶かした湯に30分ほどつけおく

    画像2: 排水口
    画像: 乾かす

    乾かす

    使用アイテム:

    画像11: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像12: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像13: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    鏡・蛇口・シャワーヘッド

    鏡、蛇口につく白い汚れは、水あか。クエン酸水でパックを。そのあとメッシュクロスでこすりますが、頑固なら、メラミンスポンジが適しています。シャワーヘッドは、クエン酸水に直接つけおきを。

    画像: 鏡、蛇口につく白い汚れは、クエン酸水でパック。シャワーヘッドは、クエン酸水に直接つけおく

    鏡、蛇口につく白い汚れは、クエン酸水でパック。シャワーヘッドは、クエン酸水に直接つけおく

    使用アイテム:

    画像14: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像15: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    シャワーのホースは過炭酸ナトリウムで

    ホースは皮脂やシャンプーで汚れがち。過炭酸ナトリウムを溶かした湯にひたしたペーパータオルでパック

    ドア

    水あかや石けんかすがついた浴室側のドアの面は、クエン酸水でパックを。ドアの上下や左右、ドアの下のパッキンの汚れは、先細ブラシでかき出し、水で流します。

    スクイージで水きりして乾かし、全体にアルコールを吹きかけます。

    画像: 浴室側のドアの面は、クエン酸水でパック。ドアの下のパッキンの汚れは、先細ブラシでかき出し、水で流す

    浴室側のドアの面は、クエン酸水でパック。ドアの下のパッキンの汚れは、先細ブラシでかき出し、水で流す

    使用アイテム:

    画像16: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像17: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像18: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像19: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    換気口・浴室乾燥機

    カバーやフィルターなどパーツが取り外せる場合は、外して先細ブラシでこすり洗いを。完全に乾かしてから、アルコールを吹きかけます。

    外せない場合、ほこりをモップではらい、アルコールを換気口に直接スプレーしても。

    画像: パーツを外し、先細ブラシでこすり洗い。完全に乾かしてから、アルコールを吹きかける

    パーツを外し、先細ブラシでこすり洗い。完全に乾かしてから、アルコールを吹きかける

    使用アイテム:

    画像20: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師) 画像21: 「浴室」のカビ対策。夏にそなえる、カビの “リセット掃除” /本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

    リセット後
    毎日3分の掃除でカビ知らずの浴室に

    毎日使う浴室は、リセット掃除をしても、放ってしまうとまたカビの温床に。

    本橋さんが提案するのは、最後に入浴した人が上がる前にする、簡単掃除の習慣化

    「浴室の温度が高い状態なので、洗浄剤なしでざっとこすり、湯で流すだけでピカピカに。毎日続けると、カビが確実に生えにくくなり、大掃除の必要もなくなります。3分で必ず終わりますよ

    浴槽の中をさっとこする

    残り湯は必ず抜いてから、浴槽の内側をメッシュクロスでさっとこすり、その日の皮脂や角質などを除く。洗浄剤は不要

    浴室内をシャワーで流す

    床や壁には、シャンプーや石けんかすが付着し、残ったまま。の浴槽をシャワーの湯で流すついでに、浴室全体をざっと流す

    壁・床・鏡の水をきる

    スクイージで、壁や鏡、床、カウンターなどについた水けをきる。水きりすることで、カビの繁殖と水あかの付着の予防につながる

    小物のじか置きをなくして

    洗面器など、濡れた小物は、カビの繁殖の原因に。引っかけるなどし、椅子は浴槽の縁にかけ、シャンプーなども浴室外に移動して

    排水口のふたを開ける

    排水口のふたを開け、髪の毛を取り除いて乾かすと、ヌメリがつきにくくなる。3分掃除はこれで終わり。浴室から出たら、換気を

     
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    〈監修/本橋ひろえ イラスト/ホリベクミコ 構成・文/秋山香織〉

    画像: ❺ 排水口のふたを開ける

    本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
    ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)などがある。天然生活本誌にて「季節のナチュラル掃除と洗濯」を連載中。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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