(『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』より)
高砂雅美さんが提案する
都会でできる脱プラスチック暮らし
私たちは、こんなにもプラスチックに囲まれている。それをあらためて知ると、途方に暮れてしまうけれど、そこで前にすすむことをあきらめる必要はありません。
ごみをたったひとつでも減らせたなら、それは確実に明るい未来への一歩になる。
都会で、たくさんのものに囲まれる暮らし。消費者である私たちだからこそ、動かせることがあります。
高砂さんの楽しく続けるためのマイルール
ごみ日記をつける
すでに千回以上続いている‟ごみ簿”と呼ぶインスタの投稿。基本は毎日撮影するけれど、疲れている日などは無理せずお休み。
「何でも、義務感に駆られすぎるとよくないな、と思っていて。今年で3年目になるんですが、はじめた頃に比べるとプラごみの量は格段に減りましたね。単純に数が少ない日はうれしくなります。
さらに、我が家の生活のクセなどもわかってくるのが面白い。そして、やっぱりゼロにはできないものなんです。でも、それを責めることはしません」
洗剤類などは数を絞り、紙パックのものなどを選ぶことで減少。漬け物なども自分でつくるように。
「減らさなきゃ、と追い詰められるのではなく、ゲーム感覚で楽しむのが長続きの秘訣なんです」
毎日のプラごみを記録
前日に出たプラごみを、洗って乾かしてローテーブルに並べて翌朝撮影。実は不織布マスクも、乾燥剤もプラごみであることに驚く。
「本当に、私たちの暮らしってプラスチックに囲まれているんです。言い換えれば、それだけお世話になっているということ。捨てるときは『ありがとう』って言ってから、捨てています」
高砂さんのプラごみを出さない工夫
気づけば、つい使っているのがプラスチック。高砂さんはこんな工夫もしています。
炭酸水は炭酸水メーカーで
たまっていくペットボトルにはうんざりしていたけれど、こちらを見つけて、迷わず購入を決定。
「使い終わった炭酸ボンベをリサイクルする仕組みが整っているのもいいですね」
ごはんはさらしで包んで冷凍
ラップで包むことをやめ、さらしで。
「使い捨てでなく何度も使えるのがいいんですよね」
劣化しやすいプラの保存容器も使わないようにしている。
みつろうラップを活用
口にできる素材を使っているので、食べ物に直接触れても安心。
「かわいいので、プレゼント包装にも。そこからプラごみの話題になったりするのもうれしいです」
本記事は『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』(家の光協会)からの抜粋です
〈撮影/衛藤キヨコ 取材・文/福山雅美〉
高砂雅美(たかさご・まさみ)
東京都渋谷区在住。写真家の夫と長女との3人家族。夫の撮影に同行する形で世界各地を巡り、いつしか環境問題に興味を抱く。「誰も、何も、責めることなく、完璧を目指さず、一歩ずつ」をモットーに、プラスチックごみ削減のためにボランティアで新聞紙バッグづくりを行うなど、地に足のついた、独自のアプローチで環境問題にアクセスする。毎日のプラスチックごみの記録をアップするインスタグラムが好評。
インスタグラム:
@challengeplasticfreediary(ごみ日記)
@studio9percent(活動報告)
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使い捨てのプラスチック容器を使うことや、流行を追って洋服を買い続けることに「便利で快適だけれど、なんだかモヤモヤする…」と疑問をもつ人が増えています。「便利で豊かな暮らし」だと思っていた生活スタイルが、実は地球環境にダメージを与えているかもしれません。
この本では、6名の方々に、ごみをなるべく出さないために、日々どのような「捨て方」「買い方」「使い方」を実践しているかを教えていただきました。自分にとって負担の少ないことから、暮らしをちょっと変えてみませんか。できることからはじめれば、気持ちのいい毎日が過ごせます。