(『天然生活』2020年9月号掲載)
環境によいものや体験にお金で投票
7年前に八ヶ岳に移住して、それまで以上に環境への関心が強くなりました。涼しかった夏が、3年ほど前から30℃を超える日が増えたり、冬も雪が全然降らなくなったり。自然が豊かな場所で暮らしているからこそ、気候変動への危機感をリアルに感じています。
ここには衝動買いやウィンドウショッピングを楽しめるほど、お店の数も種類もありません。
いまでは、本当に必要なものしか買わないし、買うときはその商品がどんな経緯でつくられたのか、最後に使い終わったときはどう処分するのかまでをしっかりと考えて、手に入れるようになりました。
山戸さんがおすすめする、環境によいものとは?
おすすめ01 コンポストの「ローカルフードサイクリング」
皆さんにぜひおすすめしたいものとして、「ローカルフードサイクリング」というコンポストがあります。私自身は畑の一角をコンポストにして、レストランや自宅で出た生ごみを堆肥にしています。生ごみのイヤなにおいや汚れにストレスを感じることもなく、それが循環する暮らしはすごく快適。
都会ではコンポストはハードルが高い中、見つけたのが、これです。見た目もおしゃれでコンパクト。ベランダでも気軽にコンポスト生活ができることと、ラインでサポートしてもらえるのがポイントです。
私も実際に使ってみて、インスタグラムで紹介したら、大勢の方から「欲しい!」というコメントをいただきました。自分が発信することで、ほかのだれかの役に立つのがうれしいですね。
おすすめ02 マイクロプラスチックの流出を防ぐ洗濯ネット
洗濯では、洗浄力をアップするアルミニウム玉を入れて洗剤の使用量を減らしています。洗濯で出るフリースなどのマイクロプラスチックを下水に流さないネットを使ってみたら、思った以上にフリースの糸くずがたくさんネットにたまっていてびっくりしました。
これを使うだけで、マイクロプラスチック問題にちょっとだけ貢献していると思うと、気持ちがよいですね。
おすすめ03 日用品いろいろ
ほかには地産地消で地元の生産者から食材を購入したり、調味料は生活クラブのリターナブルびんを使用したりもしています。洗剤などの日用品も、できるだけ持続可能な方法でつくられたものを選ぶようにしています。
自粛期間中は大好きな山歩きもお休み。家のメンテナンスや裁縫、畑仕事に時間を費やすのも、暮らしを見直してリフレッシュするいい経験になったと思っています。
ものだけでなく、自分の経験として身につくような、プライスレスのお金の使い方も大事にしたいですね。
〈撮影/山戸ユカ 取材・文/工藤千秋〉
山戸ユカ(やまと・ゆか)
玄米菜食とアウトドア料理を得意とする。2013年に八ヶ岳に移住し、レストラン「DILL eat,life.」オープン。共著に『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』(家の光協会)など。インスタグラム@ yukayamato
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです