(『天然生活』2020年12月号掲載)
田島礼子さんの冬支度
ゆったりと、温かく。豊かな家時間を過ごす準備を
「冬は、散歩をするのが楽しみです。しんと冷えたなかを歩くのが気持ちよくて。とくに雪が降った日は、朝早く公園に行くと、まだ人気がなくてあたり一面が真っ白。本当にきれいなんです」
冬の過ごし方について聞くと、そう答えてくれた田島礼子さん。この時季は、近所を歩いて冬景色を満喫するのと同時に、家で過ごす時間も大切にしています。
「寒い時季はお風呂にゆっくりつかるのも好きです。好きな入浴剤を入れて、本を読みながら1時間くらい入っています。読むのは海外の作品が比較的多いですね」
夫と6匹の猫たちと暮らす自宅は、たくさんのアートや植物が置かれた、楽しさと心地よさに満ちた空間。ラグやクッションカバーなどを冬仕様のものに取り替え、温かさを演出します。ソファに座って、ブランケットにくるまりながら読書をしたりテレビを観たりするのも幸せなひと時です。
料理上手で、友人たちをもてなすことも多い田島さん。毎年、冬になると必ずつくるメニューもあるといいます。
「百合根とほたてのグラタンは、百合根のほくほくした食感がおいしくて、大好きな一品。お客さまもみんな喜んでくれます。この時季は、お鍋もよくしますね。ごく薄くスライスした大根をどっさりと、豚バラ肉、水菜だけの“大根鍋”はわが家の定番です」
常夜鍋、鱈のパイ包み焼き……。食べることが大好きな田島さんの頭と手から次々とおいしい料理が生み出され、冬の食卓を豊かにしています。
田島礼子さんの冬支度
酉の市に行き、熊手を飾る
毎年11月には神社の酉の市に行き、熊手を買います。「翌年もよい年になるように」との願いを込めて、それを自宅の高い位置に飾るのが、長年続いている恒例行事です。
「以前は熊手屋さんで華やかなものを買っていたこともあったのですが、最近は社務所で売っている小ぶりでシンプルなものにしています」
ここ数年は、東京・府中市の大國魂神社を訪れるのが習慣になっています。
田島礼子さんの冬支度
ラグマット、クッションカバーを替える
リビングの一角にあるソファは、くつろぎのスペース。白っぽい色が多く、素材も麻やコットンだったラグやクッションカバーを、ウールや暖色のものなど、温かさを感じられるものに取り替えます。
ふわふわのモヘアのブランケットをソファに置いて、冬を迎える準備は万端。
「ソファでブランケットにくるまって本を読んだりしているうちに、いつの間にかウトウトしてしまうこともよくあります」
田島礼子さんの冬支度
平野恵理子さんの季節のミニ掛け軸を替える
八ヶ岳山麓に暮らすイラストレーターでエッセイストの平野恵理子さんは、田島さんの友人。いつも玄関に平野さんのミニ掛け軸を飾っています。
「彼女の作品も人柄も敬愛しています。ミニ掛け軸はいろいろ持っていて、お正月用、七夕用など、季節に合わせて掛け替えています」。クリスマスのシーズンには、かわいらしいマッチ箱の絵や雪だるま型の電球の絵の掛け軸を飾っています。
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〈撮影/馬場わかな 取材・文/蔦陽子〉
田島礼子(たじま・れいこ)
夫と6匹の猫と暮らす主婦。センスのある料理や盛りつけにファンが多い。猫との生活を記録したインスタグラムも人気。
インスタグラム:@reiko_withcats
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです