• 健やかに暮らすために欠かせない整理整頓は、自分のペースで行うことで続けることができます。頻度別に整理することで、無理なくきれいに。エッセイスト・柳沢小実さんから、物があふれやすいところの整理整頓の方法を教えていただきました。
    (『天然生活』2019年12月号掲載)

    無理せず、楽にきれいを保つ工夫

    明るく開放感のあるリビングダイニング、道具が整然と並んだキッチン、資料や本がコンパクトに収まった書斎……。どこを見てもすっきりと整えられた家にお住まいのエッセイスト・柳沢小実さん。実はおおざっぱで、大の面倒くさがり、というから、驚きです。

    「だからこそ、手間をかけず、楽にきれいを保てるよう、散らからない工夫をしています。物や場所に合わせた自分なりのペースで少しずつ、整理・整頓するように」

    たとえば、クローゼットや一時置きの私物、チラシ類は、散らかりの原因になりやすいので、できるだけこまめに。本や書類などは、仕事がひと区切りつく数カ月に1回。使用頻度の低い喪服や防災用品は、年に1回、という具合です。

    ポイントは、物を出し入れするタイミングや買い替え時など、何かのついでに整えるようにすること。きっかけとなる行動とセットにすることで、億劫にならずに片づけられます。

    また、毎日、家中のすべてを片づけることはできませんが、財布だけ、引き出し1段だけなら、1回あたりに作業する範囲は狭く、時間も短いので、気負わずに続けられるという利点も。

    「自分ができる頻度で整理整頓すれば、無理なく“ほどほどきれい”がキープできて、健やかな暮らしの基盤になります」

    物があふれやすいところの整理整頓①
    レシートや領収書を整理し、家計簿づけ

    2〜3日に1回やることのひとつ。レシートを見て使ったお金をマンスリースケジュールに書いて、家計簿づけ。

    画像: 物があふれやすいところの整理整頓① レシートや領収書を整理し、家計簿づけ

    「財布がレシートで膨らむ前に整理することで、お金の管理もしやすいです」

    物があふれやすいところの整理整頓②
    洗濯物を戻すときにクローゼットの整理を

    洗濯物や着用後の服は、傷みをチェックしつつクローゼットに整理して収納。

    画像: 物があふれやすいところの整理整頓② 洗濯物を戻すときにクローゼットの整理を

    「ハンガーにかける服は、形、色、向きをそろえてしまいます。選びやすいし、何を持っているか把握しやすいので、むだな買い物の防止にもなります」

    物があふれやすいところの整理整頓③
    郵便物は「いる・いらない」をすぐに分類

    毎日届く郵便物は、郵便受けから取ってきたら必要なものと不要なものをその場で分類。

    画像: 物があふれやすいところの整理整頓③ 郵便物は「いる・いらない」をすぐに分類

    「いらないチラシなどは、ダイニングテーブルに置かずに、すぐにゴミ箱へ捨てます」。必要な郵便物も、置きっ放しにはせずに書類入れへ。

    物があふれやすいところの整理整頓④
    朝のお見送りついでに、玄関を整える

    朝、会社員の夫を玄関先まで見送る習慣のある柳沢さん。そのときに出しっ放しの靴をしまい、さっとたたきを掃いたり、植物の手入れをしたり。

    画像: 物があふれやすいところの整理整頓④ 朝のお見送りついでに、玄関を整える

    「ついでなので負担は感じません。傘のハンドルも向きをそろえるとすっきりします」

    物があふれやすいところの整理整頓⑤
    パブリックスペースの私物を自分の部屋へ

    帰宅時に仮置きしたバッグやストール、テーブル上の本などは頻繁にリセット。

    画像: 物があふれやすいところの整理整頓⑤ パブリックスペースの私物を自分の部屋へ

    「5〜10分、ノリのよい曲をかけながら自分の部屋の定位置へ。家族との共有スペースには個人の物を置かないと決めるだけで、家がすっきりします」

    物があふれやすいところの整理整頓|2〜3日に1回

    玄関やリビング、クローゼットは、家の中でもとくに散らかりやすいところ。物があふれてしまう前に整理することで、きれいのキープに差が出ます。

    ほぼ毎日のように整理するのは、服や靴、財布といった使う頻度が高いものや、郵便物のような散らかりの原因になりやすいものです。

    「これらは、つい置きっ放しにしてしまうと、散らかりを呼んでしまいます。そうすると手がつけられなくなるので、こまめにリセットして、家が散らかるのを未然に防いでいます」

    とくに服は、洗濯物を出しっ放しにしたり、脱いだコートをソファや椅子に放置したりすると、部屋が雑然としてしまうため、一時置き場を設けるなどすぐに収納するように心がけているのだそう。

    「服がクローゼット内に収まっていれば、家もきれいを保てます。服を着るとき、脱ぐときに整頓することを心がけるだけで、すっきり片づきます」

    また、家族との共有スペースは、それぞれが私物を持ち込むと、それだけで散らかりの原因に。個人の物は各自の部屋へ、をルール化しているといいます。

    「忙しいときは一時置き場をつくって、週末にまとめて整理してもいいですね。自分なりに散らかりにくいシステムを考えられるといいと思います」

    部屋数やスペースが足りないときには、大きなかごなどを用意して、その中にしまうのもおすすめです。

     
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    〈撮影/滝沢育絵 取材・文/長谷川未緒〉

    柳沢小実(やなぎさわ・このみ)
    エッセイスト。衣・食・住・旅にまつわる著書多数。整理収納アドバイザー1級。フェリシモなどで商品開発も行う。近著は『私らしい暮らしとお金の整え方』(主婦の友社)。
    https://www.furarifurari.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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