(『おばあめし』より)
おばあのおでんの概念、どうなってんねん!
おでんといえば、芯まで味の染みた大根と玉子こそ、不動の人気のダブル主演。
そして舞台は真冬。寒ければ寒いほど盛り上がる心温まる物語がよく似合う……と思っていた。おばあのおでんに出合うまでは――。
フタを取ると肝心の大根と玉子が見当たらない!?かと思えば、手羽先や豚のスペアリブが我が物顔でごろごろ入っている。
しかも食卓に並ぶのは寒い日に限らず、十一月に記録的な夏日を記録した日や、桜が満開の暖かい春、さらには夏の盛りの真っ只中ということさえあった。
おばあのおでんの概念、どうなってんねん!と叫びたくなるけど、どんな具材でいつつくっても、おでんだとわかるのが不思議だ。
それに往年のダブル主演が不在でも、真夏に汗を流しながら食べても……こんなにおでんっておいしかったんやな、おばあ!
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・写真上:手羽先入りおでん
・写真下: 豚のスペアリブ入りおでん
本記事は『おばあめし』(清流出版)からの抜粋です
大迫知信(おおさこ・とものぶ)
1984年、大阪府生まれ。フリーライター、京都芸術大学非常勤講師。大阪工業大学大学院修了、技術職として沖縄電力勤務。3年で退職し、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)に入学。生活費を浮かすために、実の祖母の手料理を食べ始める。大学卒業後はフリーライターとして、体当たり取材もいとわず、書籍のブックライターから紙媒体、Webまで幅広く活躍中。
インスタグラム:@obaameshi
ツイッター:@5643Tom
webサイト:https://obaameshi.com
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アラフォー独身男の孫に、料理をつくり続ける「おばあ」。「おばあちゃんの手料理」とは程遠い、奇抜でぶっ飛んだ料理に、孫のつっこみが炸裂! おばあと孫のオモロイ関係に、笑って、笑って、ちょっと泣ける、グルメ写真エッセイです。