(『天然生活』2022年1月号掲載)
除菌と油汚れ、水を嫌う場所に
アルコール
除菌作用があり、二度ぶき不要。カビが生えやすい場所にも便利。油汚れも溶かして落とすことができる。家電やコンセントなどをはじめ、水で洗い流せない場所の掃除にも使える。
使用上の注意
ニスやワックス塗装の家具は、塗装がはがれる可能性があるのでNG。揮発性が高いので広い範囲の掃除には不向き。
基本のアルコール水(アルコール分35%)のつくり方
計量カップなどに水110mLを入れ、消毒用エタノール(アルコール分80%程度)90mLを入れる(先にアルコールの原液を入れると容器が傷むので水を先に入れること)。アルコール使用可と表記されているスプレーボトルに移し替えて使う。3カ月以内に使い切る。
アイテム別「掃除と除菌」
アルコールの使い方
ナチュラル掃除の基本となる4つの洗剤のうち、「アルコール」について、どんな汚れに使えばいいのかを紹介します。
調理台
基本のアルコール水をスプレーしたクロスでふく。
電化製品(冷蔵庫、テレビ、電子レンジの外側など)
基本のアルコール水をスプレーしたクロスで、汚れが気になる部分をふく。冷蔵庫は直接スプレーしてクロスでふき取っても。
エアコンカバー、フィルター
1 濡らしたマイクロファイバークロスを固くしぼり、基本のアルコール水をスプレーする。
2 エアコンカバーの表面と裏側を1でふく。
3 フィルターはホコリを掃除機で吸い取ったのち、水洗いする。
4 フィルターをきちんと乾かしたのち、基本のアルコール水をスプレーして、乾いてから元に戻す。
※掃除の目安は2週間~1カ月に1度(汚れ方による)。
※空気清浄機などのフィルターも同様に行う。
ドアノブ・スイッチ・リモコン
1 乾いたクロスに基本のアルコール水をスプレーして、全体をふく。
2 細かいすき間などは基本のアルコール水を染み込ませた綿棒でふく。
畳・じゅうたん
1 水で濡らして固くしぼったクロスに基本のアルコール水をスプレーし、ふく。じゅうたんは表面をなでるようにふく。
2 汚れがひどいところは、アルコール水を直接スプレーで吹き付けて、ふき取る。畳のへりもアルコール水を直接スプレーし、ブラシで汚れをかき出し、ふき取る。
トイレ全般・便座
1 床や壁、ドアノブに基本のアルコール水を直接スプレーして、使い捨ての布でふき取る。とくに便器と床の境目は念入りに。
2 トイレ本体のふたと便座を上げて、便器のふち、便座の表裏、ふたの表裏の順に基本のアルコール水をスプレーし、それぞれ布でふき取る。便器内にもスプレーして、布でふき取る。尿のにおいなどが気になる場合はクエン酸を使用。
※トイレットペーパーでプラスチックをふくと傷がつくので、布を使うこと。
掃除道具のこと
掃除の手間を減らすには、洗剤だけではなく、道具選びも重要。
「風呂掃除は乾きやすく雑菌が繁殖しにくい薄手のメッシュクロス、ふき掃除は乾きやすく目の細かいマイクロファイバークロス、ほこりにはハンディワイパーがおすすめです」
保存容器のこと
「重曹やクエン酸など粉状のものは、はちみつ用ボトルが少量を出せて計量をしやすいので便利」
過炭酸ナトリウムはガスを発生するので、ボトルに入れる場合はひと月に1度はふたを開けること。スプレーボトルはアルコール使用可能か確認して。
洗剤のいらない掃除
ほこりや砂など水分のない汚れはあえて洗剤を使わなくてもOK。
「リビングのほこりはハンディワイパーで、玄関の砂ぼこりはほうきで掃けば十分汚れを落とせます。砂などの掃除に掃除機を使う場合は、そのあとの掃除が楽なので紙パック式がおすすめです。しつこい汚れが固まったら、その汚れに合わせた洗剤を使ってみてください」
できるだけ掃除をシンプルにすることも小さな暮らしの知恵です
ほこりや砂など水分のない汚れはあえて洗剤を使わなくてもOK。
「リビングのほこりはハンディワイパーで、玄関の砂ぼこりはほうきで掃けば十分汚れを落とせます。砂などの掃除に掃除機を使う場合は、そのあとの掃除が楽なので紙パック式がおすすめです。しつこい汚れが固まったら、その汚れに合わせた洗剤を使ってみてください」
できるだけ掃除をシンプルにすることも小さな暮らしの知恵です。
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〈監修/本橋ひろえ 取材・文/工藤千秋 イラスト/カトウミナエ〉
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
理系出身の知識を生かした科学的な解説を主婦目線で行う「ナチュラルクリーニング講座」が人気。著書に『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)など。
ブログ:安心♪ 安全♪ ラクチン♪ Natural Cleaning
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです