• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、5~6月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、うどのオイルマリネです。

    うどの薬膳的効能ついて

    うどの根茎は独活(ドッカツ)という漢方薬の生薬です。

    体の中にたまった余分な水分を出すため、湿気があるときに痛みの出やすい関節痛や神経痛、腰痛などの痛みをやわらげる働きがあるとされています。体をほどよく温める作用があり、冷え性改善に有用です。

    【保存食】うどのオイルマリネのつくり方

    画像: 【保存食】うどのオイルマリネのつくり方

    春を代表する山菜であるうどは、1本の茎が風にも揺るがず、まっすぐ伸びているため、「独活」と名づけられたといわれています。

    スーパーマーケットなどで見かけるうどのほとんどは栽培されたものですが、天然のものは3月から初夏までが旬。みずみずしい水分と独特のさわやかな香りやほのかな苦味、さくさくとした歯応えが特徴です。

    穂先から脇の細い茎や皮まで、捨てるところなくすべて食べられるのもうれしいところ。

    酢味噌あえや天ぷらなどに調理するのが一般的ですが、今回は、うどの風味を生かしたやわらかな酸味のマリネに。オイルとの相性も抜群ですよ。

    材料(つくりやすい量)

    ● うど(太い茎の部分)1本(約300g)
    ● A
    ・米油(またはオリーブオイル)大さじ2
    ・酢(一部をレモン汁にしても)大さじ3
    ・はちみつ大さじ1
    ・塩、こしょう各少々
    ● 赤唐辛子(種を取る)1/3本
    ● ローリエ(好みで)1枚

    つくり方

     うどは太い茎の皮を厚めにむき、1.5cm厚さに切る。酢少々(分量外)を加えた水に2〜3分さらす。

    画像: 葉や細い茎は揚げ物やきんぴらなどに利用して。全体が白っぽい「軟白うど」と、緑がかった「山うど」があるが、どちらも同じように使える

    葉や細い茎は揚げ物やきんぴらなどに利用して。全体が白っぽい「軟白うど」と、緑がかった「山うど」があるが、どちらも同じように使える

    画像: 根元のかたい部分は切り落とす。むいた皮はきんぴらなどに

    根元のかたい部分は切り落とす。むいた皮はきんぴらなどに

     熱湯2カップ(分量外)に塩小さじ1(分量外)を入れ、を加えて1分ほどゆでてざるにあげ、水気をしっかりふき取るた。

     煮沸消毒した瓶に、を入れ、よく混ぜ合わせたAを注ぎ入れ、赤唐辛子と好みでローリエを加える。1時間ほどおいたら食べられる。

    画像: うど全体がつかるようにAの量を調整して

    うど全体がつかるようにAの量を調整して

    ※冷蔵庫で約2週間保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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