(『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』より)
つくっておけるものと、直前につくるものを組み合わせるのがポイントです
毎日献立を考えて、料理をつくるのは大変ですよね。それは大家族でも少人数でも同じこと。私が実践している献立づくりのルールをご紹介します。
品数は主菜1品と副菜が2品。夕食前に一度につくるのは大変なので、つくっておけるものと、食べる直前につくるものを両方組み合わせるのがポイントです。
つくっておけるものの代表は煮もの。たとえば、大根があったら、それを大きめに切ってゆでて、お肉でもお魚でも、さつま揚げでもちくわでもいいので、何かしらたんぱく質食材と一緒に煮るとコクが出ておいしいです。味付けはかつお昆布だしに醤油、砂糖、みりん、お酒で十分。
煮ものが甘い味付けだったら、もう1品の副菜はさっぱりしたサラダのようなものにします。ポテトサラダだったり、ほうれん草としらすの和えものだったり、ナムルや浅漬けでもいいですね。
下ごしらえしておけるものを保存しておくのもおすすめです。たとえば油揚げをたくさん買ってきたら油抜きをしてお味噌汁に入れるサイズに切ってから、袋に入れて冷凍室へ。そうすると、冷凍のままおだしに入れるだけなので便利です。
夕食づくりが楽になる6つのルール
1 主菜に合わせて副菜を決める
最初に決めるのは主菜。主菜がお肉だったら、副菜の1品にお魚を脇役程度に入れ、もう1品は野菜だけにするなど栄養のバランスを取ります。
たとえば、主菜がとんかつなら、副菜のサラダにしらす干しを入れるといった具合です。
2 旬の野菜でメニューを決める
わが家のメニューは野菜が多め。お店に行っておいしそうな旬の野菜を見つけたら、そこからメニューを決めます。
旬の野菜はエネルギーが詰まっていて、なにしろお安いので、いろいろな種類を積極的に食べるとよいですね。
3 献立3品の味付けを変える
同じ醤油味でも、甘くて濃い味や塩気のきいた薄めの味があります。
3品がすべて同じ味にならないように、甘辛いもの、酸っぱいもの、塩味のものといったように、それぞれ味付けを変えると飽きずに食べられます。
4 午前中に下準備しておく
夕食どきに慌てるのが嫌なので、私はなるべく午前中にできることは済ませておきます。
だしを取ったり、煮ものをつくったり、材料を切っておくだけでも、気持ちに余裕ができて安心できます。
5 料理は大皿に盛る
7人家族なので1人分ずつお皿に盛ると片付けが大変。大皿に盛れば1つで済みますし、多めに食べたい人、少なくていい人の調整もできます。
焼き魚などは、切り身のままではなく小さく切ってから出すと食べやすいです。
6 シンクに洗いものをためない
料理をつくり終わったら、使った鍋や道具をすべて洗い、シンクの中を何もない状態にしてから食卓につきます。
そうしないと、食後の片付けがおっくうになってしまうから。そして一日の最後にシンクの中を洗って拭き上げて完了。
〈撮影/大沼ショージ〉
本記事は『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)からの抜粋です
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川県葉山町に3世代7人で暮らす。子育てが落ち着いた40代後半から15年ほど、自宅で料理教室を主宰。主婦歴50 年の経験から生まれた暮らしの知恵、また人生を軽やかに生きるコツなどを独特のやさしい口調で語るその姿が、若い世代を含む幅広い年齢層に支持されている。『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)は4冊目の著書で、これまで家族のためにつくってきた料理をまとめた初めての料理本。
◇ ◇ ◇
専業主婦歴50年の坂井より子さんが、家族のために毎日つくってきたレシピを初公開。なんでも手づくりしていた時代の昔懐かしい料理の数々は、今見ると新鮮で新しい発見があります。
特別な日のごちそうや子どもが好きな料理、地味だけど味わい深い家庭料理など、いつも家族の中心にあるのは「お母さんの料理」。
メディアで人気の坂井さんが次の世代に伝えたい家庭料理と台所仕事のことを一冊にまとめました。