• 専業主婦歴50年の坂井より子さん。毎日家族のためにごはんをつくり続けてきた、50年分の家庭料理と台所仕事の経験から生まれた知恵には、次の世代へ受け継いでいきたい新しい発見が詰まっています。坂井さんが30年以上つくり続けている、焼豚と、焼豚を使った炒飯のレシピを教えていただきました。
    (『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』より)

    焼豚はずっとこのレシピでつくり続けています

    画像: 焼豚はずっとこのレシピでつくり続けています

    このレシピに出合ったのはもう30年以上も前のこと。娘が通っていた中学校で料理講習会があり、そのときに教わったのが、この焼豚です。

    焼豚はいろいろなレシピがありますが、お鍋ひとつでできるので、私にとってこの方法が一番簡単。やわらかくなるまで煮てから最後に煮汁を絡めることで、肉質がふっくらしていて、煮汁が香ばしくなります。

    大事なポイントは、深さのある厚手のお鍋でつくること。薄いお鍋では焦げてしまうかもしれません。

    焼豚のつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 豚肩ロース肉(かたまり)1kg
    ● にんにく2片
    ● 生姜2片
    ● 酒1カップ
    ● 砂糖大さじ4
    ● 醤油大さじ8(120mL)

    つくり方

     厚手の深鍋に豚肉を入れ、十分かぶるくらいの水と軽くつぶしたにんにく、生姜を入れて火にかける。煮立ってきたら弱火にして、1時間~1時間半煮続ける。

     楽に串が通り、澄んだ脂が出るくらいまで煮えたら、一度肉を取り出す。

     鍋の煮汁をボウルなどにあけ、そこから1/2カップをの鍋に戻す。

     鍋を火にかけ、しばらくして煮汁がほとんどなくなり、鍋底できつね色に焦げ始め、透き通った脂が音を立て始める。焦げ目がだんだん広がり、いくらか栗色に変わってきたら火を止める。酒、砂糖、醤油を加えてしっかり混ぜ、再度火にかけてひと煮立ちさせる。ここで焦げ具合が強かったら、一度たれを濾して焦げ付いたかすを取り除くとよい。

    画像1: つくり方
    画像2: つくり方
    画像3: つくり方

     取り出しておいた肉を鍋に戻し、たれを絡めて火を止める。

    画像4: つくり方

     冷めたら肉を食べやすく切り、少し煮詰めたたれをかける。

    画像: MEMO:保存するときは肉とたれを別々に

    MEMO:保存するときは肉とたれを別々に

    焼豚を使って……
    炒飯のつくり方

    画像: 焼豚を使って…… 炒飯のつくり方

    椎茸の香りがよいシンプルな炒飯。焼豚の端の崩れた部分を使うとよいでしょう。

    たれを少々加えてもおいしいです。

    材料(2人分)

    ● 焼豚200g
    ● 長ねぎ1/2本
    ● 椎茸4個
    ● 卵2個
    ● 炊いたごはん400g
    (やわらかめに炊いたごはんのほうがむしろよい)
    ● 油大さじ3
    (焼豚をつくったときにできたラードと半々でも)
    ● 塩、コショウ、醤油各少々

     焼豚は1cm角に切り、長ねぎはみじん切りに、椎茸は軸も含めて5~6mm角に切る。卵は溶きほぐす。

     中華鍋を熱して油を入れてよくなじませ、溶き卵を流し入れる。

     卵を端に寄せ、ごはん、長ねぎ、椎茸、焼豚を加えて鍋肌に軽く押し付けながら全体を混ぜ、ごはん粒に焼き目を付ける気持ちで、丁寧に炒める

     塩、コショウをふり入れ、鍋肌に醤油を回し入れ、全体に大きく混ぜて香りよく仕上げる。

    〈料理制作/中川悠歩 撮影/大沼ショージ〉 

    本記事は『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)からの抜粋です



    坂井より子(さかい・よりこ)

    画像: 材料(2人分)

    1946年生まれ。神奈川県葉山町に3世代7人で暮らす。子育てが落ち着いた40代後半から15年ほど、自宅で料理教室を主宰。主婦歴50 年の経験から生まれた暮らしの知恵、また人生を軽やかに生きるコツなどを独特のやさしい口調で語るその姿が、若い世代を含む幅広い年齢層に支持されている。『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)は4冊目の著書で、これまで家族のためにつくってきた料理をまとめた初めての料理本。

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    『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)

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