(『天然生活』2022年12月号掲載)
旬のきのこでつくる、とっておきの保存食
さて、今年もきのこの時季がやってきました。ハウス栽培で1年を通して出まわっているきのこですが、本来の旬は秋。いつものきのこはもちろん、地もののきのこでつくると、いっそうのおいしさに驚きます。
「旬を詰め込んだような、その様子を眺めるだけで、なんだかうれしくなります。保存食づくりは、季節の味わいを自分の手で少しだけ延ばすことのできる、とっておきの方法。そして、毎日の食卓を助ける強い味方でもあるのです」
保存食
なめたけのつくり方
つい市販品を手に取るけれど、つくってみればこんなに簡単。ごはんのお供はもちろん、お酒の肴にもうれしい一品です。
材料(つくりやすい分量)
● えのきだけ | 大1パック(正味250g) |
● しょうゆ、みりん、酒 | 各大さじ1 |
1 えのきだけは根元を切り落とす。長さを半分に切ってほぐし、鍋に入れる。
2 調味料を加えてふたをし、中火にかける。ふつふつとしてきたらひと混ぜし、ふたをして弱火で10分ほど煮る。
3 もう一度混ぜ、えのきだけがしんなりとして十分に水けが出るまで弱火で煮る。ふたをとって混ぜながら、水分が少し残る程度まで煮詰める。
*清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で1週間ほど保存可。
保存食
きのこのオイル煮のつくり方
パスタにかけたり、オムレツに入れたり、何かと役立つ保存食。きのこの種類にはこだわらず、そのときにあるもので気ままに。
材料(つくりやすい分量)
● 生しいたけ | 1パック(15g×6個程度) |
● しめじ | 1パック(200g) |
● エリンギ、まいたけ | 各1パック(各100g) |
● A | |
・にんにく(つぶしたもの) | 1片分 |
・オリーブオイル | 1/4カップ |
● 塩 | 小さじ1/2 |
つくり方
1 しいたけは石づきを切り落とし、軸ごと食べやすく切る。しめじは小房に分け、エリンギはひと口大の薄切りに、まいたけはほぐす。
2 鍋にAを入れ、弱火にかける。香りが立ったら1を加えて軽く炒める。全体にオイルがからんだら、塩をふってふたをし、10分ほど蒸し焼きにする。
*清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で1週間ほど保存可。
〈料理/飛田和緒 撮影/林 紘輝 スタイリング/久保原惠理 取材・文/福山雅美〉
飛田和緒(ひだ・かずを)
東京都生まれ。高校時代を長野で過ごす。現在は、海辺の街に夫、娘と暮らす。土地ごとの味と素直に向き合い、日々の食卓で楽しめる家庭料理、保存食をつくり続ける。著書に『季節を味わう保存食手帖』(扶桑社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです