(『天然生活』2022年12月号掲載)
野沢菜の漬物を、小松菜でアレンジ
秋から冬にかけては、小松菜をはじめとする青菜がおいしい季節。本来は長野名産の野沢菜でつくる漬物ですが、手に入れやすい小松菜でアレンジしました。
「旬を詰め込んだような、その様子を眺めるだけで、なんだかうれしくなります。保存食づくりは、季節の味わいを自分の手で少しだけ延ばすことのできる、とっておきの方法。そして、毎日の食卓を助ける強い味方でもあるのです」
保存食
小松菜の漬物のつくり方
軸が太めの小松菜でつくると、野沢菜と近い味わいに。昆布を入れることで、うま味とほどよいとろみがつきます。
材料(つくりやすい分量)
● 小松菜 | 2束(200g×2) |
● にんじん | 1本(100g) |
● 糸昆布(乾燥) | 10g |
● A | |
・しょうゆ | 1/2カップ |
・砂糖 | 40g |
・酢 | 大さじ4 |
*清潔な保存容器に入れて冷暗所で2~3ヵ月保存可。
1 鍋にAを入れて混ぜながらひと煮立ちさせ、砂糖が溶けたら火を止めて冷ます。
2 小松菜は3cm長さに切る。にんじんは細切りにする。昆布とともにボウルに入れる。
3 2に1をまわしかけ、押しぶた(なければ平皿などでも)をして、その上に1kg程度の重しをのせてひと晩おく。
4 様子を見て水けが出ていなかったら天地を返し、再び重しをする。十分に水が上がったらでき上がり。
小松菜の漬物を使って
漬物入りチャーハンのつくり方
甘酸っぱい漬物は、メインの具であり、味のかなめ。塩としょうゆはあくまで軽く、味をととのえる程度に抑えます。
材料(2~3人分)
● 小松菜の漬物(上記参照) | 60g |
● 豚バラ薄切り肉 | 50g |
● 溶き卵 | 2個分 |
● ごはん | 400g |
● 塩、しょうゆ | 各適量 |
● 米油 | 大さじ1 |
つくり方
1 豚肉は1cm幅に切り、塩ひとつまみをまぶす。
2 フライパンに油を熱し、1を炒める。火が通ったら、小松菜の漬物と温めたごはんを合わせて炒める。ごはんがほぐれてきたら塩ふたつまみを加えてさらに炒め、全体に味がなじんだらしょうゆをひとまわしして入れ、さっと混ぜ合わせる。
3 2のごはんをフライパンの端に寄せる。空いたスペースに溶き卵を流し込み、大きく混ぜてからごはんにからめるようにして炒め合わせる。
〈料理/飛田和緒 撮影/林 紘輝 スタイリング/久保原惠理 取材・文/福山雅美〉
飛田和緒(ひだ・かずを)
東京都生まれ。高校時代を長野で過ごす。現在は、海辺の街に夫、娘と暮らす。土地ごとの味と素直に向き合い、日々の食卓で楽しめる家庭料理、保存食をつくり続ける。著書に『季節を味わう保存食手帖』(扶桑社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです