(別冊天然生活『大切な人への贈りものとお取り寄せ』より)
贈りもののタブーとは?
贈りものには、相手やシーンによってNGとされるものがあります。とはいえ、時代とともにタブーとされることも変化してきています。
「昔、マナー違反とされていたものはだんだん薄れていますが、お祝いやお見舞い、目上の方に対しては、相手の気分を害さないよう最大限の配慮を。タブーとされるものを差し上げるときは、『本来は失礼かもしれませんが、ぜひ使っていただきたくて……』など、ひとこと添えてみてください」
手づくりのお菓子や匂いの強いもの、センスや好みが分かれるものも避けるようにします。
引越し
引越しや新築祝いでマナー違反とされるのは、「火事」を連想させるもの。アロマキャンドルやお香など実際に火を使うものはもちろん、火を連想させる「赤いもの」も避けるのが正解。ラッピングも赤はやめておきましょう。ただし、本人からホットプレートのような新生活に実用性があるものをリクエストされたときは、気にせずに贈っても大丈夫です。
祝いごと
結婚や出産などのお祝いは特別なことなので、失礼のないようにします。以前は縁を切る「刃物」、割れたり欠けたりする「グラスや陶器」はNGとされていましたが、本人の希望ならこの限りではありません。数のあるものを贈るときは偶数は避けて奇数でそろえます。「ハンカチ」も別れを連想すると避けられていましたが、最近はよほど気にする方でなければ贈ってもOK。
目上の人
目上の方に贈ると失礼とされるのが、「文具」や「靴下・スリッパ」。文具は目上の方に「勤勉に励む」という上から目線のメッセージを送ることに。また、靴下やスリッパは「踏みつける」という意味で嫌われます。ただ、筆やすずりのような本人の趣味に合うものや、冬に温かい靴下やスリッパなどは喜ばれることも多く、親しい間柄なら選択肢に入れてもいいでしょう。
お見舞い
寝(根)づくことを意味する「鉢植え」、不幸をイメージさせる「菊・椿」、「匂いの強い花」は、お見舞いには絶対にNG。食事制限などもあるので、食べものも要注意です。「4(死ぬ)や9(苦しむ)」という不吉な数字を連想させる「くし」「シクラメン」もマナー違反です。逆に、見舞い客に振る舞えるような個包装のお菓子などは重宝されることも。
<監修/諏内えみ イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋>
諏内えみさん(すない・えみ)
「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。美しいふるまいや会話術、テーブルマナーの講座が人気。女優のエレガント所作指導やテレビ出演も多数。著書にベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)など。https://www.livium.co.jp/profile/h
※ 記事中の情報は取材時のものです
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