• 円安やインフレなどが心配なこの頃。いまのうちに家計を見直して、来年は安心して過ごせるように備えましょう。まず始めたいのは、いまの支出の見直し。これまで2万4000件以上の家計を再生したファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに、年末までにやっておきたいお金のことを伺いました。
    (『天然生活』2023年11月号掲載)

    貯金のラストスパート。来年からのお金の準備を

    年末まであと3カ月。年内に、貯金のラストスパート&来年からたまる家計にするための準備をしましょう。8つのなかから、自分の生活に合うものに挑戦してみてください。

     ふるさと納税

    画像: 1 ふるさと納税

    寄付した金額から自己負担額の2000円を引いた金額が全額控除され、所得税や住民税を安くできる仕組みです。確定申告か、ワンストップ特例制度での申請が必要です。

    年収に応じて年間の控除限度額が決まるので、シミュレーションサイトで確認してから、まだ限度額まで使い切っていないようなら、年末までに寄付することを検討してみましょう。

    「年始に必要なおせちの食材や和牛など、豪華な食品を返礼品としてもらうのもうれしいですね」

     持ちものを減らす

    画像: 2 持ちものを減らす

    「お金がたまる人は、きっぱりと物事を割り切れる傾向があります」と横山先生。

    いま必要ないものや場所をとっているものは、年末までに処分を。家にものがあふれていてそのために広い部屋を借りているような状態だったり、収納用品を買い足したりしているようなら、むだな出費をしている証拠です。

    「もったいないと思うかもしれませんが、持っているがゆえの出費もあります。捨てることは、広い意味で、お金をためることにもつながるのです」

     フリマアプリ

    画像: 3 フリマアプリ

    お金をためるには、支出を減らすだけでなく、収入を増やすという手もあります。「フリマアプリは、気軽なお小遣い稼ぎにぴったり」。利用者が多く、初心者にも使いやすい「メルカリ」で、年末の片づけで出てきた不用品を売ってみましょう。

    「ただし、画像のアップロードや梱包・発送など、意外と手間がかかります。値付けによっては割に合わない場合もあるので気をつけて。あまりにも安いものや、梱包が大変なものは、捨てた方がよいでしょう」

     プチ稼ぎ

    画像: 4 プチ稼ぎ

    なにかともの入りな年末年始。「月に数千円程度、収入が増えるといいな、くらいの気持ちで、『プチ稼ぎ』をしてみても。お小遣いの補填になります」。信頼できるサイトでアンケートモニターをしたり、ポイントをためてみたり。

    手芸が得意なら、雑貨やアクセサリーをつくって、「Creema(クリーマ)」などのハンドメイドマーケットプレイスに出品してみても。

    「ファンができてリピートしてくれたり、意外と高額で販売できる可能性もあります」

     新NISA & iDeCo

    画像: 5 新NISA & iDeCo

    「NISA」とは、投資で得られた利益にかかる税金が一定金額まで非課税になる制度。2024年から限度額が引き上げられ、運用期間の制限も撤廃されます。来年から始めたい人は、ネット証券口座の開設、「つみたてNISA」にするか「NISA」にするかの決定、金額などの検討を始めましょう。

    「iDeCo(イデコ)」は年金を自分で運用するような仕組み。

    「節税効果が高く、掛け金全額が控除になります。自分に最適なものはどれか、じっくり考えてみて」

     サブスクリプションの見直し

    画像: 6 サブスクリプションの見直し

    大掃除のついでに、毎月課金しているサブスクサービスも洗い出して整理を。「音楽の聴き放題や漫画の読み放題など、月に1〜2回しかアプリを開かないのに、毎月数百円も課金されているものはありませんか? この際、解約を検討しましょう」

    アプリだけでなく、スポーツクラブの会費や定期的に購入している健康食品などもサブスクの一種。

    「きちんと利用しているのならOKですが、めったに使わないものにお金を払っているのはむだだと心得て」

    たとえばこれをチェック

    □ みていない有料動画サービス
    □ 飲みきれない定期的に届くサプリ
    □ 惰性で入っている宅配サービス

     節電

    画像: 7 節電

    原油価格の上昇などにより、今年の冬も節電は不可避の様相。

    「ただ、こまめなスイッチオフなどの効果は限定的です。可能なら契約アンペアの見直しをすると比較的大きな節約になるでしょう。うちでは、災害対策のために用意していたポータブル電源とソーラーパネルを充電用に使っています。スマホや小型ライトぐらいの電力は賄えます」と、横山先生。

    暖房をがまんして風邪を引き、医療費がかかってはかえってマイナス。無理のない範囲で節電を。

    たとえばこんな工夫が……

    □ ソーラーバッテリーの利用
    □ 契約アンペアの見直し
    □ 省エネ家電への買い替え

     家族マネー会議

    画像1: 8 家族マネー会議

    「月1ペースで、“家族マネー会議”を行っています」という横山先生。子どもたちも含めて、毎月の収入や支出について、家族で議論をしています。

    「家族それぞれの欲しいものや将来の夢などを共有してください。たとえば、子どもが留学したいなら実現するためにどうすればいいかなど話し合えますよね。親たちも今後、家や老後の暮らしをどうするか話しておきましょう。収入や貯金額などもオープンにすることで、家族の未来が見えてきます」

    ※ 「年末前のお金の見直し」は、『天然生活』2023年11月号、P.62~67に掲載されています。



    <監修/横山光昭 取材・文/尾崎真佐子 イラスト/はまだなぎさ>

    画像2: 8 家族マネー会議

    横山光昭(よこやま・みつあき)
    家計再生コンサルタント。お金の使い方そのものの根本的改善を目指し、これまで2万4000件以上の赤字家計を再生したファイナンシャルプランナー。『はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版』(アスコム)、『お金を貯められる人のすごい習慣』(ぱる出版)ほか、著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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