(『天然生活』2022年2月号掲載)
花と灯りで温かく迎える玄関を
靴箱の上は、季節を感じる草花や雑貨を設えるスペース。火をともしてほんのり明るさを足すことも。
「玄関は庭の様子を見に行ったり、家の周りを掃いたりと1日に何度も出入りするところ。通るたびに、ほっとできる空間にしたいと思っています。夕暮れ時に、LEDのキャンドル照明を目にするだけで温かな気持ちになります」
歯ブラシ3本で元気な歯を管理
「年齢を重ねても好きなことを見つけ、それを楽しむ暮らしができるのは、健康でいられるからこそ。体の健やかさにも目を向けるようにしています」と内田さん。
新しい生活様式になり、歯科検診に行く機会が以前より減ったことから、ていねいに歯をメンテナンスするように。歯科で薦められた歯ブラシと歯間ブラシ、美白タイプのハミガキ粉も愛用中。
愛猫そらと幸せな時間を過ごす
約30年、猫が居る暮らしを続けている内田さん。現在は、1歳になる愛猫そらと過ごす日々。
「そらは甘え上手な女の子。なでてほしいときは、絨毯のまんなかでお腹を出して待っています。一緒にいるだけで気持ちがほぐれ、いやされます。素直に愛情表現する姿を見て、チャーミングな女性って素敵だなと学ぶこともあるんです」
引き継いだ草花を庭図鑑に記録する
以前住んでいた方から受け継いだ庭。新たなものも加えると77種類の草花が植えられているそう。
「毎日手入れをして、季節を通して草花の変化を見つけるのも幸せな時間。品種や育て方をネットや本で調べるのが新たな楽しみになりました」。
玄関先の庭と裏庭、鉢植えに分け、ノートに園芸名やお手入れ法など、調べたことを書き足していくのが新たな習慣に。
日々の幸せや楽しみは。暮らしのなかに落ちている
2年ほど前に、長年住み慣れたマンションから、小さな一軒家に移り住んだ内田彩仍さん。それにより時間の使い方も変化したそう。
「家で過ごす時間が増えたことで、好きなことへの興味を深める時間がよりもてるようになりました」
たとえば、興味や疑問が生まれたら、園芸の知識や海外のインテリアの実例などをYouTube見たり、書籍で調べたり。
「私は〝心地よい場所で暮らす〞ことを大切にしていて、理想の住まいに近づけるためにいろいろな工夫をするのが好きなんです。新しく知ったことや、思いついたことなど、試してみたことが上手くいくと、小さな達成感が積み重なり、笑顔でいられる気がします」
変化を受け入れると好きなものが明確になる
昔から、夢中になれることが変わらないという内田さん。
「中学生のころから『anan』のインテリア特集が好きだったり、自分でカーテンをつくってみたり。好きなことは年齢を重ねても同じなのですが、段々と好みが変化した気がします」
以前はナチュラルなテイストのインテリアが好みだったそう。年齢を重ねながら、少しずつ大人らしいモダンな雰囲気のものにひかれるようになってきたといいます。
「以前住んでいたマンションをリフォームした11年ほど前から好みが徐々に変わっていたのかもしれません。当時はまだ、その変化を受け入れると好みがちぐはぐになるのが怖くて、インテリアも確認しながら設えていた気がします」
自分の変化を軽やかに受け入れることができたのは、ここ2年。
「変化を楽しむことで好きが明確になりました。家の雰囲気もいまの自分にフィットして、より心地よく過ごせている気がします」
〈撮影/大森今日子 取材・文/佐久間千絵〉
内田彩仍(うちだ・あやの)
福岡県生まれ。夫と愛猫そらと暮らす。センスある暮らしぶりが雑誌などで人気を集める。『大切なこと 穏やかに暮らすためのの工夫と心がけ』(PHP研究所)など、家事や日々の
暮らしを綴った著書多数。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです