(『天然生活』2023年12月号より)
器ひとつで、暮らしや気持ち、日々の時間は変わる
親しい仲間を招き、ホームパーティを楽しむという富田太洙さん。そんなときに、テーブルに新鮮な空気感をもたらしてくれるのが、物語を秘めたアンティークの食器やキャンドルです。
テーブル上に並んだ器から「これは、いつの時代の?」と話題が広がることも多く、キャンドルの炎のゆらぎは、仲間たちとの時間のなかに、親密でより特別な空気感を生み出してくれるそう。
そんな楽しみを知った背景には、ヨーロッパでの買い付け時に現地の友人からのもてなしで味わった、少しの手間を惜しまずに楽しむ、心の豊かさがありました。「ピクニックに誘われたときは、屋外であっても一人ずつリネンクロスを用意して、銀のカトラリーは前日に磨いてくれていました。利便性より、気分を楽しむことを大切にしているんですよね」
そういった経験から家全体を改装しなくとも、器やインテリアの素材ひとつや心持ちで暮らしは変わると考えるようになったそう。
「たとえばアンティークの食器はセットでそろわないことも多いけど、それぞれが個性的でどんな料理を合わせるのかが醍醐味。こうでないといけない、と思い込まずに受け入れることで、暮らしはもっと楽しくなると思うんです」
模様替えの6つのアイデア
01 食卓の話題が広がるストーリーのある器を持つ
白い花を思わせるリム皿に「桃とマスカルポーネチーズと生ハム」を合わせるなど、料理と器の美しい競演に歓声が上がるひと時。「テリーヌの器はフランスで買い付けたもので、アンモナイトの化石が眠っています。絶妙な使い方をしてくれると、うれしいですね」
02 キャンドルの炎に照らされ、温かで親密な雰囲気づくり
ホームパーティでは照明を落とし、キャンドルの明かりだけで楽しむことも多いとか。「火を灯すとみんなの顔がパッと輝いて、空気がやわらかくほぐれます。こっちのライトも消したほうがいいとか、どこに置こうとか、少し特別な雰囲気に盛り上がりますよ」
03 クッションやピローで手軽に雰囲気を変える
「クッション類はいくつあっても困りません。色の組み合わせで遊べますし、入れ替えるだけで雰囲気が変わります」と富田さん。ベッドリネンは「FLUFFY AND TENDERLY」のリトアニアリネン。カバーを替えるだけでも、ベッドルームの空気感が一新できます。
04 小さなコーナーから壁のクロスを張り替える
デザイン性の高い壁紙は貼るだけでさまになるわけではなく、実は腰壁、モールディング、巾木など全体と調和するバランスが大切。ですが、洗面所やトイレなど小さめの空間ならクロス張りが初めてでもトライしやすく、大胆な色柄が試しやすい利点も。
05 壁の塗装の一部に、ピンクを取り入れてみる
さまざまなニュアンスのピンクが効果的に塗装され、落ち着いたエレガントな空気感が漂う富田邸。「使いこなすのが難しい色と思われがちですが、家具とも合わせやすく、とても可能性のある色だと気づくはず。壁面の一面から取り入れてみるのもおすすめです」
06 リビングはもちろん、廊下にも。ラグの力に頼る
色や模様、サイズはさまざまで、買い付けでは200枚以上を見ることも。「うちではリビングはもちろん、廊下にも敷いています。床の色や質感は簡単に変えられませんが、ラグを敷くことで穏やかな空気感が生まれ、アンティークの家具とも合わせやすくなります」
<撮影/山口 明 取材・文/野崎泉 料理/山西理恵 編集/鈴木理恵>
DEN PLUS EGG(デン・プラスエッグ)
リフォーム、リノベーション、注文住宅の設計・施工を行うほか、物件探しを行うための不動産も運営。オリジナルキッチンの専門部門もあるほか、海外買い付けの家具や雑貨、リネンの販売も行い、心地いい暮らしのためのインテリア環境もサポートしている。著書に『DEN PLUS EGGの家づくりノート』(扶桑社)。
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※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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