(『DEN PLUS EGGの家づくりノート』(扶桑社)より)
Oさんの場合(東京在住)
東京の都心にある築50年のレトロマンションに住むOさん。細切れだった間取りを広々とした1LDKにリノベーションした部屋は、気持ちのいい開放感と、まるで何年も前からここで暮らしてきたかのような温もりとが、絶妙に溶け合っていました。
始まりは、ウェブで目にしたお店から
東京・千駄ヶ谷でナチュラルワインとフレンチベースのビストロ「コンカ」と、フレンチの要素を取り入れた中華レストラン「サルーズキッチンマーケット」オーナーのOさん。「DEN PLUS EGG」を知ったのは、8年ほど前にお店の内装を考えていたときだったそうです。
「ウェブでたまたま見つけたのが、『DENPLUS EGG』が施工した兵庫・芦屋のお店でした。甘すぎず、辛すぎず、大人らしさもありかわいらしさもある。そのミックス感がちょうどよかったんです」
伝えたことは、たったふたつ
リノベーションの際に伝えたのは、「おばあちゃんになるまで住める部屋」ということと、「大人っぽい、でも冷たくない空間に」ということだけ。
「DEN PLUS EGG」の提案のもと、壁は白く塗装し、一部をモルタルに。床には無垢のオーク材を使い、オイル仕上げにして、窓にはリネンの上質なカーテンを。こうして、光がまわる気持ちのいい空間ができあがりました。
愛猫との豊かな暮らしを大切に
以前暮らしていた家は、イタリアンモダンなインテリアだったといいます。「モダンな空間も好きだったんですが、ピカピカなものって、傷をつけたら『あ〜あ』ってがっかりするでしょう?
うちには猫が2匹いるので、それがストレスでした。でも、時を経た古いものって、傷が逆に味わいになる。そんな懐の深さっていいなあ。これから暮らしていくなら、そんな家がいいなあと思って」。こうして、暮らしの舞台をいままでとは真逆に振り切ったというわけです。
インテリアには、自分らしさのスパイスを
すべてを古いものだけで統一しなかったのがOさんらしさ。あえて無機質な業務用キッチンを入れ、壁は一部をモルタルに。でも、キッチンカウンターはつくらずに、アンティークのバタフライ式のテーブルを作業台兼収納にしつらえました。
ダイニングテーブルの脇には、図書館で使われていたというインダストリアルな棚をチョイス。「ひとつのテイストで統一するのではなく、ちょっとクールな雰囲気も取り入れたかった」と語ります。
ハードな素材と温もりのある木。シャープさとやわらかさ。新しさと古さ。相反するふたつをブレンドすることで、ほかのどこにもないOさんだけの暮らしの舞台が立ち上がりました。
<撮影/山口 明 取材・文/一田憲子 編集/鈴木理恵>
DEN PLUS EGG(デン・プラスエッグ)
リフォーム、リノベーション、注文住宅の設計・施工を行うほか、物件探しを行うための不動産も運営。オリジナルキッチンの専門部門もあるほか、海外買い付けの家具や雑貨、リネンの販売も行い、心地いい暮らしのためのインテリア環境もサポートしている。著書に『DEN PLUS EGGの家づくりノート』(扶桑社)。
DEN PLUS EGG https://www.denplus.co.jp/
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※記事中の情報は『DEN PLUS EGGの家づくりノート』掲載時のものです
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