• 料理家の荒木典子さんは、お雑煮好き。毎月「お雑煮の会」なるものを開き、地域のお雑煮を再現して試食しているそうです。京都の「白味噌雑煮」が生まれた背景とレシピについて教えていただきました。

    京都の白味噌雑煮

    私の両親は父が京都、母が兵庫の出身なのですが、元旦と二日と違うお雑煮をいただくのが子供の頃からの習慣です。

    元旦は育った京都の白味噌雑煮二日はおすましでかしわの入った焼き角餅のお雑煮でした。

    白味噌雑煮はとろりとした白味噌に大根と金時にんじんと柔らかくゆでた丸餅が入っており、仕上げに削り節をのせます。

    今でも元旦には必ずいただく懐かしい味です。

    立身出世を願って、具に大きな頭芋(里芋の親芋)がひとつゴロンと入っている家庭も多い。

    丸餅や丸く切った野菜などを入れるのには”丸く収める”という願いが込められています。

    京都の白味噌(西京味噌)の起源は古く、平安時代の貴族の間で食べられていたとも言われています。

    たくさんの米麹を使った白味噌は当時から贅沢なものだったはずです。

    白味噌は麹が多く、発酵期間が短いので、味噌をだしに溶き入れてからクツクツと煮込むというのが他の味噌とは違った調理法です。

    そしてとろりとする程の多くの味噌を加えるというのも特徴的です。

    だしは水で作る家庭もあるくらいで、西京味噌の風味をいかすために昆布だしやうすいだしが向いています。

    京都の白味噌雑煮のつくり方

    画像: 京都の白味噌雑煮のつくり方

    <材料(2人分)>

    ● 丸餅2個
    ● 白味噌適量
    ● 昆布だし400mL
    ● 雑煮大根(なければ大根の細い部分)適量
    ● 金時にんじん(細い部分)適量
    ● かつおの削り節適量

    つくり方

     雑煮大根、金時にんじんは輪切りにする。

     熱湯(分量外)に餅を入れてふたをしてやわらかくなるまでおく。

     昆布だしにを入れてやわらかくなるまで煮て、白味噌を溶き入れる。クツクツと2、3分静かに煮る。

     お椀に大根を敷いての餅を入れ、を注ぐ。最後にかつおの削り節をのせる。


    荒木 典子(あらき・のりこ)

    料理家。国際中医薬膳師。青果卸を営んでいた料理上手の祖母と、母の影響で食に関心のある環境で育つ。神戸女学院大学文学部を卒業してフランスへ留学し、帰国後調理師学校にて料理の基礎を学び、調理師免許を取得。その後、上京して料理本の編集者として働いたのち、2007年に料理家として独立。

    現在は書籍やテレビの仕事を中心に、企業へのレシピ提供、料理店の監修などの仕事とともに、和食のお料理教室を主催。季節のていねいでシンプルな料理をモットーに、家庭でできる日本料理と洋食などレシピを提案する。また、おせち料理をライフワークとし、ほかにお雑煮の会を主催。著書に『いちばんくわしい 基本のおせち料理』『炊き込みごはん』(ともに成美堂出版)などがある。

    インスタグラム:@aranoric

    * * *

    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    画像: 京都の「白味噌雑煮」|荒木典子の日本のお雑煮

    amazonで見る



    This article is a sponsored article by
    ''.