• 親が毎日をより快適に過ごせるよう、いまから少しずつでも始めたい実家の片づけ。実際に実家を片づけた経験者だからこそわかる、心がけたいこと、成功の秘訣を生活研究家で薬剤師の阿部絢子さんに教えていただきました。
    (『天然生活』2022年9月号掲載)

    これからの人生、どう過ごすかを考えて

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    画像: 阿部絢子さんの実家の片づけ体験談「そもそも親は、子どもに片づけられたくなんかない」母と娘、腹を割って話し合うこと

    阿部さんの名言
    口を出すなら、手も金も出すべし

    「そもそも親は、子どもに片づけられたくなんかない」と阿部さん。

    「12年前、母が熱中症で倒れ実家に行くと、惨憺(さんたん)たるありさまでした。まずは母が戻ったときに暮らせる状態を整える必要がありました。80歳を過ぎた人間が、安全に暮らせるように。ここは、肝に銘じるところ。すっきりでもおしゃれにでもなく、“安全”です」

    まず行ったことは、阿部さんが不要と感じたものを一気に処分すること。母娘は、あらためて、腹を割って話し合うことになります。

    「お母さんの人生の最終章、ものがあふれた部屋で、探し物をしている人生じゃ輝けないと思う。リフォーム含め、家の片づけを任せてほしい」

    さらに、こうも問いかけました。

    「お母さん、これからの人生、何をして過ごしたい? 」

    答えは、「大好きな華道をしていたい」でした。

    そこで、主に華道の道具の取捨選択は、母親に任せ、あとは阿部さんが責任をもって処分することに。

    画像: Before 必要なものもそうでないものも雑多に詰められていた押し入れ

    Before
    必要なものもそうでないものも雑多に詰められていた押し入れ

    画像: After 工務店に頼んで棚をつくってもらった

    After
    工務店に頼んで棚をつくってもらった

    画像: Before 廊下にはものがあふれ、ガラス戸が開けられない状態

    Before
    廊下にはものがあふれ、ガラス戸が開けられない状態

    画像: After 結果、換気ができないため空気がよどんでいた

    After
    結果、換気ができないため空気がよどんでいた

    「古い家で木材が腐った個所もあり、安全に暮らすためのリフォーム、不用品の処分には金額もかなりかかりました。けれど、子どもが口だけ出す状況では、年老いた親は絶対に腰をあげないし、それを求めるのは酷なこと。片づけるなら、自分も手を動かし、お金も出す。その覚悟が必要です」



    <取材・文/福山雅美>

    阿部絢子(あべ・あやこ)
    生活研究家・消費生活アドバイザー・薬剤師。食品の安全性をはじめ、家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なアドバイスで、出版・講演など幅広い活躍を続ける。著書に『老親の家を片づける ついでにわが家も片づける』(大和書房)など。https://ayakoabe262.jp/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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