(別冊天然生活「歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2」より)
歳を重ねて新しく始めた「習慣」
料理研究家・ウー・ウェンさん
ものより経験や思い出日本のいい「素材」を探す
コロナ禍で、国内の素晴らしさに目が向くようになりました。子育て中の約20年間は旅行も気軽に行けませんでしたから、これからはどんどん全国各地の魅力を探しに出かけるつもりです。
日本は北から南まで、気候も文化もさまざま。水や塩、農・海産物など、良質な素材の宝庫です。
自分の目と足で、全国のよい素材や素敵な人と出会う旅をしたいですね。ものはお墓に持って行けませんし、最後に残るのは経験や思い出だと思うんです。
Earthおばあちゃんねる・多良美智子さん
もらった本は選り好みせず読んで新たな「好き」との出合いに
寝る前の読書が毎日の楽しみです。周りにも読書好きの友人が多く、おすすめの本がどんどん私の下に集まってきます。
それを選り好みしないで読んでいると、新しい興味に出合えますし、本当に楽しいんですよ。時間がいくらあっても足りません。
夜は「今日も気持ちよく過ごせたな」と思い返しながら感謝して、本を読んでいるうちに眠ってしまいます。そうやって過ごしていたら、最近は嫌なことがなくなりましたね。
ヘア&メイクアップアーチスト・山本浩未さん
美容で自分を慈しむことが自己肯定感を上げることに
大人はみんなドライフルーツ。水分が抜けても、価値のあるドライフルーツになるためには本人の心がけが大切です。
美容もそのひとつ。とくにお手入れはマインドフルネスのようなもの。時々でいいから手をかけてあげると、小さな変化が喜びになり、自己肯定感がぐんと上がります。
軽いメイクでも、少し肌のトーンが明るくなるだけで気持ちも明るくなりますよね。肌を慈しむことが、自分へのエールになると思っています。
スタイリスト・chizuさん
庭のミモザで気づいた剪定の楽しさ
毎朝、雨戸を開けて庭木の様子を見るのが習慣になりました。姉の希望で、庭にミモザの木を植えたところ、みるみるうちに大きくなったんです。
見よう見まねで剪定をしてみたら、好みの樹形に育ったのがうれしくて。植物が成長する様子は楽しいですね。手をかけたらこたえてくれて、やりがいを感じます。
これを機に、剪定の勉強をしてみようと考え中です。剪定用のお道具や長靴、手袋などをそろえるのも楽しそうでワクワクしています。
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<取材・文/藤沢あかり イラスト/松尾ミユキ>
ウー・ウェン(うー・うぇん)
中国・北京出身。ウー・ウェンクッキングサロンを主宰。医食同源に根ざした家庭料理のほか、シンプルで温かな生き方にも注目が。『ウー・ウェンの炒めもの』(高橋書店)など、著書多数。
多良美智子(たら・みちこ)
1934年生まれ。2020年から孫と始めた、日常を紹介するYouTube『Earthおばあちゃんねる』は登録者数14万人を超す。著書は『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』(すばる舎)。
chizu(ちず)
1955年生まれ。雑誌や広告でインテリアや食、ジュエリーなどのスタイリングのほか、店舗開発や商品開発も。著書は『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)。
山本浩未(やまもと・ひろみ)
ヘア&メイクアップの第一人者として女性誌や広告などでさまざまなテクニックやメソッドを提唱。自身の経験に基づいた、内面からポジティブに輝く人になるための提案も多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです