(『天然生活』2022年4月号掲載)
自分を追い込まず、ノルマは楽しんでクリア
さて、本日の昼食を拝見します。ごはんに味噌汁、鮭の塩焼きに青菜のおひたし。ちなみに味噌汁は具だくさんで満足感いっぱい。
とはいえ、ときにはこってり料理を食べたくなりませんか?
「それはあります。しかも食べます。でもいいんです。ストイックになりすぎないのも長続きの秘訣。1回程度では太らないし、あとで調整すればOK」と、あっけらかん。自分を追い込めばそれがストレスとなり、むしろ挫折につながると知っているからこその達観。
「40代をすぎると、代謝が落ちる一方。放っておけば太っていきます。だから、現状維持するのもダイエット。どこかわずかでもやせたなら、それは相当な努力のはず」
少しでも体重が落ちれば、自然にやる気もわいてきます。おっくうだった運動も楽しくなって、いまではジムに通うのが日常に。太らないために続けたい習慣が次々に増え、クリアしていくのにゲームに似た喜びを感じる好循環。
「私は万年ダイエッター。それはマイナスの意味ではなく、この生活はずっと続けたい、心地よい習慣だからです。太らない生活は、私にとって前向きになれる、ストレスのない生活でもあるのです」
寝る子はやせる
夜の10時から深夜2時は、“やせホルモン”とも呼ばれる、代謝を高める効果がある成長ホルモンが多く分泌。
眠っている間は体も安静状態が保たれるため、体内の臓器に使われる代謝エネルギーがおのずと少なくなり、これが脂肪燃焼に回ってくるという仕組みです。
「というわけで、眠る2時間前以降の飲食はNG。消化にエネルギーを取られ、脂肪燃焼に回らなくなってしまうので注意です」
自転車はやめて、とにかく歩く
ダイエットに取り組むまでは、近場でもスイ〜ッと自転車で移動していたしらいさん。
「最近はその習慣をやめ、できるだけ歩いて移動することにしました」
ここでも、スマートウォッチが活躍。歩数や消費カロリーを教えてくれるので、どんどんやる気がわいてくるそう。
「日常生活でも、しっかりカロリー消費。ジムに通えない日も、歩くだけで運動になるのがうれしいです」
お風呂上がりはストレッチ
実はダイエット前は膝の痛みに悩んでいました。
「腸腰筋をほぐして股関節のかたさを解消することで、膝の痛みも改善。ローラーでお尻のコリをほぐして筋肉をつけ、より代謝しやすい体にすることも意識しました。お風呂上がりにストレッチを続けると、昨日より今日、今日より明日と進歩が実感できます。大人になっても伸びしろを実感できる、それがストレッチです」
頼りにしている「太らない」食材
小腹がすいたら食べるもの
蒸したさつまいもやかぼちゃを冷蔵庫に常備。
「脂質もなく、腹持ちがいい。そして自然の甘味があるので、おやつ感覚で味わえます」
牛乳もヨーグルトも低脂肪
意外に侮れないのが乳脂肪。ここも忘れず賢くカット。
「最近は、無脂肪でもおいしい商品が増えています。どんどん取り入れて」
ごはんにはきびやもち麦を混ぜて
「食べるときは、ボーッと食べない。スキあらば、プラス要素を入れ込む」がモットー。
ミネラルたっぷりの雑穀で、ごはんをパワーアップ。
<撮影/山田耕司 取材・文/福山雅美 構成/鈴木麻子>
しらい・のりこ
夫のシライジュンイチ氏とともに、ごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための炊飯系フードユニット「ごはん同盟」を主宰する料理研究家。「ダイエットは、一過性のものではなく、新しい、よい習慣を続けていくことなのです」
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです