(『天然生活』2023年4月号掲載)
「薬菓(ヤックァ)」のつくり方
薬菓は、小麦粉を練った生地を油で揚げ、蜜をしみ込ませた伝統菓子。
揚げるときは低温で、煮るようにじっくりと火をとおしましょう。
材料(直径4cmの菊型/約20個分)
⚫︎ A | |
・ 薄力粉 | 100g |
・ きび砂糖 | 大さじ2 |
・ 塩 | ひとつまみ |
⚫︎ ごま油 | 15g |
⚫︎ B | |
・ 日本酒 | 大さじ1(15mL) |
・ 水 | 大さじ1強(15mL~20mL) |
<シロップ>(つくりやすい分量) | |
・ きび砂糖 | 100g |
・ 水 | 50mL |
・ しょうが | 1片(スライス) |
・ シナモンパウダー | 小さじ1/4 |
⚫︎ 揚げ油 | 適量 |
⚫︎ ごま、松の実(好みで) | 各適宜 |
下準備
⚫︎ シロップの材料を小鍋に入れて混ぜ、弱火にかける。沸騰したら1分煮詰める。
つくり方
1 ボウルにAを入れ、手でよく混ぜる。ごま油を加えて手でぐるぐるっと全体になじませ、油のかたまりをほぐすように、両手ですり合わせる。全体がしっとりしてかたまりが小さくなればOK。
2 Bを加え、手早くぐるぐるっと混ぜ、生地をひとつにまとめる。少しぽろぽろとした部分があってもよい。台の上に取り出して、半分にカットして重ねる。これを3回ほど繰り返して表面をなめらかにし、生地に層をつくる。
3 めん棒で7mm厚さにのばして(のびにくい生地なので力を入れて)、型で抜き、竹串でまんなかに3カ所ほど空気穴をあける。
4 100℃に熱した油に3を入れる。火がとおりにくいので低温でゆっくりと、4~5分たったらそっと上下を返す。層ができて、中に火がとおるまで約8~10分揚げ、最後は150℃まで温度を上げて表面を薄いキツネ色にする。
5 油をきり、シロップにひたして引き上げる。好みでごまや松の実を飾り、網の上でシロップをきって乾かす。
<料理/なかしましほ 撮影/高橋ヨーコ スタイリング/荻野玲子 取材・文/omo!(土田理奈、後藤涼子)>
なかしま・しほ
新潟県生まれ。レコード会社、出版社に勤めた後、ベトナム料理店、オーガニックレストラン勤務を経て料理家に。2006年、東京・国立におやつの店「foodmood」をオープン。毎日食べたくなるやさしい味わいのお菓子が人気を博している。『たのしいあんこの本』(主婦と生活社)など多数の著書がある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです