• 行き場のない猫たちを、新しい家族が見つかるまでの間自宅でお世話をする「猫の預かりボランティア」。小禄広海さんは、鎌倉と逗子の境にあるちいさな港町でお菓子づくりをする傍ら、保護猫活動の一環として「猫の預かりボランティア」を行っています。現在、共に暮らしているのは、“預かりっ子”と呼んでいる4匹の子猫たち。そんな広海さんと“預かりっ子”たちの日常をつづった「ねこおば日記」をお届けします。今回は、昨年の夏に我が家に来た男子、“シロップ”のお話しです。
    前回までのお話......
    2度の手術を終えたハチの様子

    前回までは居候(預かり猫)のハチの誤飲からの開腹手術についてお話ししました。

    ねこおば03

    その後のハチですが、いちどだけ、夕ご飯後にマーライオンのように派手に吐いて心配したものの(他の子猫たちがワラワラとまだ消化されていないその嘔吐物に集まってきて、食べさせまいとする私と激しい攻防戦を交えた)、朝には元気になりました。

    今も私の膝の上ですやすやと寝ていて、本当にかわいい。

    多頭飼育崩壊から来た預かりっ子“シロップ”のお話

    シロップは兄弟2匹と計3匹で、昨年の夏に我が家に来た男子。

    画像1: 多頭飼育崩壊から来た預かりっ子“シロップ”のお話

    過去の事を記憶する能力がもうない私。自分のインスタグラムを調べてみたら、シロップ達は多頭飼育崩壊から来た子と書いてある。

    多頭飼育崩壊をネットで調べてみると、“無秩序にペットが増え、飼い主が適正に飼育できる数を超えた結果、経済的にも破綻し、ペットの飼育ができなくなる状況”とある。恐ろしいですね。

    そして、多頭飼育崩壊している家は大体、ゴミ屋敷だったりする。

    シロップ達もそんなゴミ屋敷から来たのか、衛生状態は良くなくて、虫がお腹の中にも外にもいたらしい(愛護センターでだいぶ綺麗にしてもらってから来た)。 3匹とも、のほほんとした子達だったのが救いだった。

    ちなみに、同期のハチは人間に対して警戒心がある。ハチは外の子で、駆除目的で殺してくれとお爺さんがセンターに連れてきたらしい。

    画像2: 多頭飼育崩壊から来た預かりっ子“シロップ”のお話

    思い込みかもしれないけど、生まれ育った環境で彼らも思考や行動に影響があるのかなとか考えたりもする。

    シロップの兄弟は昨年に2匹で里親が決まり、今は隣町の海の前の部屋で幸せそうに暮らしている。

    去勢手術で見つかったシロップの疾患とは

    昨年秋、シロップを去勢手術で預けている時に病院から着信があった。

    慌てて電話をかけ直すと、シロップの睾丸が片方見つからないのでお腹を切る事になるがよいか? と言われた。停留精巣(睾丸)と言うそうで、人間も猫も、最初はお腹の中にあるものが、男の子なら徐々に下に降りていくものだが、稀に降りていない事があるらしい。

    シロップの場合はまず鼠径部を切り、そこになかったのでお腹を切り、なんとか見つかった。

    取らないまま放置すると腫瘍になる可能性もあるらしい。

    画像1: 去勢手術で見つかったシロップの疾患とは

    遺伝性の疾患で、先に決まった兄弟2匹の里親さんにも連絡をした。後日、兄弟も術前診察の時点で、1匹の袋の片方がどうも空っぽなのが発覚。

    こちらは手術でも見つからず、経過観察になっている。今後、大事に至らないことを願う。

    何年か前に譲渡した子でやはり卵巣が片方見つからなくてそのままの女子がいる。でもお腹にはあるらしく、毎シーズン一瞬だけ発情期が来るらしい。

    その一瞬のためにまた麻酔をかけて手術すべきなのかどうなのか……。

    シロップ自身はお腹を2カ所も切ったのに、至って呑気に成長している。

    画像2: 去勢手術で見つかったシロップの疾患とは
    画像3: 去勢手術で見つかったシロップの疾患とは

    最近は太り気味な気もしているけれど、まあ、幸せならいいかな。

    ハチもシロップも家族がまだ決まっていないけれど、そこまで心配はしていない。

    画像4: 去勢手術で見つかったシロップの疾患とは

    ただ、早く決まれば、次の行き場のない子を早く迎えられるのだから、今回はちょっとのんびりし過すぎたかもしれない。

    いずれにせよ、きっとふさわしい家族を彼らがもうそろそろ見つけるはず。

    * * *



    画像5: 去勢手術で見つかったシロップの疾患とは

    小禄広海(おろく・ひろみ)
    幼少の頃からお菓子作りが好きで、Bakeromi(ベカロミ)という名前で活動中。現在は鎌倉、材木座にあるカフェに毎日お菓子を納める傍ら、猫の預かりボランティアを中心に保護活動もする、バタバタな毎日。来世はやはり家猫になりたい。
    インスタグラム@catladyorock@bakeromi



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