• ヨーロッパの修道院では、庭園や畑で育まれた野菜や果樹、薬草を、季節をまたいで保存食として大事に食べます。バスク地方の修道院をたびたび訪ねた丸山久美さんが、修道女から教わった保存食やレシピから、「にんじんの酢漬け」とそれを使った「サバのにんじん酢漬けソテー」のつくり方を紹介します。
    (『バスクの修道女 畑と庭の保存食』より)

    にんじんの酢漬けのつくり方

    画像: 修道女がつくるにんじんの保存食。右から、にんじんの酢漬け、にんじんの瓶詰め、にんじんのジャム

    修道女がつくるにんじんの保存食。右から、にんじんの酢漬け、にんじんの瓶詰め、にんじんのジャム

    料理をつくる上で欠かせない野菜のひとつ。多種多様で一年中食べることができ、修道院でも植え付けの時期はそれぞれです。

    早春のまだ小さめのものはやわらかく、生で食べると、甘い風味が実感できます。

    大きく育ったものはもちろんどんな料理にも万能ですが、多めに切っておいて保存するといっそう便利です。葉はやわらかいところだけを料理に使います。

    材料(つくりやすい分量/でき上がり約600mL)

    ● にんじん500g(約3本)
    ● 白ワインビネガー(またはりんご酢)1カップ
    ● グラニュー糖小さじ1
    ● 塩小さじ1/4
    ● 好みのハーブ
    (ローリエ、タイム、ローズマリーなど)
    少々

    つくり方

     にんじんは皮をむき、せん切りにする。

     鍋に水を沸かし、にんじんを1分茹でる。水に取り、粗熱が取れたらザルに上げる。

     同じ鍋に水1カップ、白ワインビネガー、グラニュー糖、塩、ハーブを入れ、中火にかける。沸騰したら弱火にし、2分煮る。

     煮沸消毒した清潔な瓶ににんじんを詰め、にんじんが被るようにをひたひたに注ぐ。

    ポイント consejo

    ◎冷蔵庫で4~5日間保存可能。脱気して真空状態になっていれば冷蔵庫で3カ月保存可能。

    にんじんの酢漬けを使って
    サバのにんじん酢漬けソテーのつくり方

    画像: にんじんの酢漬けを使って サバのにんじん酢漬けソテーのつくり方

    材料(4人分)

    ● サバ(3枚おろし)2尾分
    ● にんじんの酢潰け(上記参照)200g
    ● 好みのハープの葉
    (タラゴン、レモンパーペナ、レモンパーム、ミントなど)
    少々
    ● オリーブオイル大さじ1~1と1/2

    つくり方

     サバは水気をふき、全体にオリーブオイルをふる。ロースターまたは200℃に温めたオーブンで火が通るまで15~18分こんがり焼く。

     皿にサバを盛り、水気をきったにんじんをのせ、マリネ液適量をかけてハーブの葉をふる。

    ポイント consejo

    ◎サバはフライパンで焼いても。鮭、アジ、イワシでつくってもおいしいです。

    本記事は『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)からの抜粋です


    画像: つくり方

    丸山久美(まるやま・くみ)

    料理家。スペイン家庭料理教室「mi mesa」主宰。アメリカ留学後、ツアーコンダクターとして世界各地をまわり、マドリッドに14年在住。家庭料理をベースとしたスペイン料理を習得しながら修道院をめぐり、修道女たちから料理を学ぶ。著書に『バスクの修道女 日々の献立』(グラフィック社)、『修道院のお菓子』(扶桑社)など。2024年3月に『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)を発売。
    インスタグラム:@maruyama_kumi

    ◇ ◇ ◇

    『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)|amazon.co.jp

    『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)

    『バスクの修道女 畑と庭の保存食』(グラフィック社)|amazon.co.jp

    amazonで見る

    一般の人が立ち入ることのできない修道院の中では、できるだけ自給自足の生活を重んじています。畑では四季折々の野菜を育て、庭の木々にはたわわに果物が実り、香り高いハーブも茂っています。たくさん収穫した野菜や果物を料理をし、食べきれないものは保存食にして季節をまたいで大事に食べます。料理家の丸山久美さんが、修道女たちが実際につくっている保存食、ジャム、コンポート、シロップ漬け、オイル漬け、酢漬けなどの加工方法、そしてそれらを使った料理を紹介します。



    This article is a sponsored article by
    ''.