• 感謝をテーマにした著書などを手がける“気配りのプロ”フリーアナウンサー・堤信子さんに、情報過多の時代にこそ楽しみたい手紙のアイデアを聞きました。今回は、手紙を書く時に大切にしたいことについて。手書きのアナログな作業を通して、心穏やかな時間を過ごしてみませんか。
    (『暮らしの図鑑 手紙の楽しみ』より)

    言葉以上を伝えたいから、手書き文字にこだわる

    画像: イラスト/ryuku

    イラスト/ryuku

    手紙はただの通信手段ではないと私は思っています。

    今の時代に私があえて手紙を書くのは、手紙でしか伝えられない何かがあるから。それは言葉の向こうにある気分や感情なのだと思います。そんな無形のものを伝える手段が手書きの文字だと思います。

    手書きには、書いた時の感情や状況が如実に現れるものです。相手を想って丁寧に書いた文字もあれば、旅先の絵はがきの軽やかな走り書きもあって、それらは言葉以上のものを物語ります。

    手書きの手紙は心のやりとり。だからこそ、字が下手でも、時間がかかっても、やっぱり手書きにこだわりたいのです。

    画像: 堤信子さん(撮影/佐々木宏幸)

    堤信子さん(撮影/佐々木宏幸)

    堤さん流、お手紙10カ条

     手紙を出すタイミングは自分でつくる

    手紙を出すタイミングは記念日やクリスマスだけではありません。「〇〇を見てあなたを思い出したので」でいいと思うのです。自ら積極的に理由をつくって気軽に手紙を楽しんでいます。

     手書きの分量は気持ちの分量

    ありきたりの言葉でも手書きだとより気持ちが伝わるもの。私は、手書き文字の分量は気持ちの分量と比例すると思っています。もちろん宛名も例外ではありません。

     短く、軽く

    内容は短く、軽く。「かわいい絵はがきを見つけたので」「新しいペンを使ってみたくて」など、相手に返事を書くプレッシャーを与えない内容を意識しています。

     自分の気持ちを必ず書く

    「ありがとう」や「おめでとう」を伝える手紙を書く時、私は「あなたの幸せを知って私も嬉しい」、「あなたの言葉に励まされた」など、自分の気持ちを必ず添えるようにしています。

     常套句も使いよう

    形式ばった常套句も目的と状況に合わせて使えば機能するものです。誰に何を伝えるためにこの言葉を使うのかを考え抜けば、ありきたりな言葉でも気持ちを伝えることができるのです。

     手紙仲間をつくる

    身近な人に手紙の楽しさを伝えて手紙仲間をつくることも意識しています。気心知れた手紙好きが増えれば、手紙のハードルは下がり、楽しみは広がります。

     文字は下手でも時間をかけて書く

    目上の人へフォーマルな手紙を書く際は時間をかけて丁寧に。止め、はね、はらいを正しく書く、誤字脱字がないようきちんと調べて書くなど、時間を惜しまず礼を尽くすよう心がけています。

     オリジナルの締めの言葉を用意する

    定番の「ご自愛ください」もいいのですが、私はその後に「今、〇〇にハマっている堤より」などと近況や小ネタを入れて、オリジナリティを加えています。

     記念切手で特別感を演出

    普段から記念切手を買い集めておいて、相手のための1枚を選んで使うようにしています。絵柄の美しい記念切手は封を開ける前から特別感を演出できるアイテムです。

    10  ポストに入れるまでが手紙です

    手紙は書いただけでは届きません。ポストに投函するまでの流れを切らさないために、便箋、封筒、切手をセットで持ち歩く、ポストの位置を把握しておくなどの工夫をしています。

    本記事は『暮らしの図鑑 手紙の楽しみ』(翔泳社)からの抜粋です


    堤 信子(つつみ・のぶこ)
    フリーアナウンサー、京都芸術大学・法政大学・昭和女子大学講師。TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍中。またエッセイストとして、感謝をテーマにした著書などをはじめ、webや紙面での連載も手がける。紙採集家としても有名で『マツコの知らない世界』など出演多数。監修した『暮らしの図鑑 手紙の楽しみ』(翔泳社)が2024年4月に発売。

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    『暮らしの図鑑 手紙の楽しみ』(翔泳社)|amazon.co.jp

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    アナウンサーで紙採集家の堤信子さん直伝、書き手の「真心」が伝わる手紙のアイデア。書き手の真心が伝わる「手紙」を大切な人へ送ってみませんか?

    「マツコの知らない世界」でもおなじみのアナウンサー堤信子さん。情報を伝えるプロならではの想いを伝える手紙の工夫やアイデアとともに、紙採集家である堤さんの紙愛もあますところなくお届けします。



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