• 純度が高く透明で、すっきりとクリアな甘みを味わえる氷砂糖。季節の野菜や果実を氷砂糖に漬け込めば、素材のもつ味と香りをぐっと引き出したシロップになります。保存がきくので、旬を長く楽しめるのも大きな魅力。料理家のワタナベマキさんに、初夏にぴったりな新しょうがのシロップと、アジアンスイーツのアレンジレシピを習いました。

    氷砂糖が少しずつ溶けて、新しょうがのエキスたっぷりのシロップに

    画像: 氷砂糖が少しずつ溶けて、新しょうがのエキスたっぷりのシロップに

    その名のとおり新物のしょうが、新しょうが。芽の先の薄紅色と皮部分の白い色合い、やわらかな繊維質、そしてさわやかな風味が特徴です。初夏にはハウス栽培のものが出回り、秋になれば路地ものが並ぶため、長い期間楽しめる香味野菜のひとつです。

    「新しょうがは、よく甘酢漬けなどにしますよね。今回は氷砂糖に漬けてシロップをつくりましょう。根しょうが(通常のしょうが)に比べて、新しょうがはみずみずしいのでエキスがしっかりと出るんですよ」と語るワタナベさん。

    「新しょうがを漬けるには、氷砂糖がおすすめです。氷砂糖は時間をかけてゆっくりと溶けて、香りとエキスがたっぷりの仕上がりになります。新しょうがのシロップは、ピリリとした軽い辛みがあって、体を温める効果もあります。夏風邪や冷房対策にもいいですよね。アレンジレシピも豊富です」

    今回は新しょうがシロップを使ったアレンジレシピとして、台湾とベトナムの人気アジアンスイーツもつくっていただきました。

    ワタナベマキさんの
    新しょうがシロップのつくり方

    画像: ワタナベマキさんの 新しょうがシロップのつくり方

    柑橘を思わせるさわやかな香りと、ピリッと心地よい刺激、氷砂糖らしい澄んだ甘みをもつ新しょうがシロップ。お湯100mLにシロップ大さじ1を入れて混ぜ、新しょうがの身を浮かべれば、やさしいホットドリンクになります。ひと口飲めば、のどの奥やおなかがじんわりと温まるのを実感するはず。

    炭酸水で割れば、自家製のジンジャーエールが完成。シロップにした新しょうがの身は、なめらかな断面の舌ざわりがよく、料理やデザートの具材としても活躍します。

    材料(約600mL分)

    画像: 材料(約600mL分)
    ● 新しょうが 約300g
    ● 氷砂糖 約300g

    基本の分量 1:1(新しょうが:氷砂糖)

    下準備

    保存びんを煮沸消毒またはアルコール消毒する。

    つくり方

     新しょうがをよく洗い、水けをふく。汚れているところがあればスプーンでこそげ落とす。ごく薄切りにする。

    画像1: つくり方

    ワタナベさんのひと工夫

    ● 新しょうがはごく薄切りにすると、料理やデザートのトッピングとして使いやすい。スライサーを使ってもOK。

     新しょうがを計量し、同じ重量の氷砂糖を用意する。

     保存びんに新しょうがの1/3量を入れる。その上に氷砂糖の1/3量を入れる。交互に重ね、一番上が氷砂糖になるようにする。

    画像2: つくり方

     ふたをしめて冷暗な場所におく。1日1回、びんをゆすってエキスを全体に行き渡らせる。6〜7日後に、氷砂糖がすべて溶けたらでき上がり。

    画像3: つくり方

    保存期間

    ・冷蔵庫で約2カ月保存可能。

    新しょうがシロップを使ったアレンジレシピ①
    台湾スイーツ「豆花(トウファ)」のつくり方

    画像: 新しょうがシロップを使ったアレンジレシピ① 台湾スイーツ「豆花(トウファ)」のつくり方

    豆花(トウファ)は豆乳をごくやわらかく固めたものに、ナッツやフルーツ、好みのシロップをかけていただく台湾のデザート。豆乳には一切甘みをつけずに、冷やしたシロップをたっぷり注いで味つけをするのがポイントです。

    口の中でとろけるふるふる食感に、新しょうがの身のしなやかなシャキシャキ、ゆでたピーナツのやわらかさとコク、シロップのほんのり刺激がからみます。

    材料(4人分)

    ● 新しょうがシロップ適量
    ● 新しょうがシロップの新しょうがの身適量
    ● 無調整豆乳600mL
    ● ピーナツ(炒ったもの/皮なし/無糖)60g
    ● 粉ゼラチン10g

    つくり方

     ピーナツはかぶるくらいの水にひと晩(6時間以上)浸ける。水けを切って鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて中火にかける。煮立ったら弱めの中火にし、約20分間ゆでる。ざるに上げ、そのまま冷ます。

     粉ゼラチンは水大さじ2(分量外)をふり入れて、ふやかす。

     鍋に無調整豆乳を入れて中火にかけ、煮立つ直前に火を止める。のゼラチンを加えて混ぜ溶かす。ボウルに移し、底を氷水にあてながら混ぜる。とろみがついてきたら冷蔵庫に入れ、1〜2時間冷やし固める。

    画像4: つくり方

     器にをすくって入れる。冷やした新しょうがシロップをたっぷりとかけ、ピーナツと新しょうがの身をのせる。

    画像5: つくり方

    新しょうがシロップを使ったアレンジレシピ②
    ベトナムスイーツ「チェー」のつくり方

    画像: 新しょうがシロップを使ったアレンジレシピ② ベトナムスイーツ「チェー」のつくり方

    ベトナムでおやつとして愛されている「チェー」。具だくさんのぜんざいのような一品です。

    夏にはクラッシュアイスをかけて冷やして、冬には温かいシロップをかけて食べることもあります。

    今回は、マンゴーと氷、ゆであずきでグラスに美しい層をつくり、ココナッツミルクと新しょうがシロップでトロピカルな味をプラス。アジアへの旅気分を存分に味わえるデザートです。

    材料(2人分)

    ● 新しょうがシロップ適量
    ● 新しょうがシロップの新しょうがの身適量
    ● ゆであずき40g
    ● マンゴー1個
    ● ココナッツミルク100mL
    ● 氷適量
    ● ミント適宜

    つくり方

     新しょうがシロップとココナッツミルクは冷やしておく。

     マンゴーは2cm角に切る。

     グラスに適量のマンゴーを入れ、新しょうがシロップ(お好みで大さじ1〜2程度)をかける。細かくくだいた氷をのせ、ココナッツミルクを注ぐ。その上にあずきと残りのマンゴーをのせ、新しょうがシロップの身をトップに盛る。新しょうがシロップ(さらにお好みで大さじ1〜2程度)を注ぎ、あればミントをのせる。

    画像6: つくり方

    ワタナベマキ(わたなべ・まき)
    グラフィックデザイナーを経て、料理家として独立。シンプルだけど滋味深く、素材の味を引き出した料理が人気。インテリア、器、ファッションなど、センスあふれるライフスタイルが年代を超えて支持されている。『時間をかけて作りたい料理』(Gakken)ほか著書多数。最新著書『マキさんの極上シンプルおにぎり』(ワン・パブリッシング)を2024年5月に発売。
    インスタグラム:@maki_watanabe

    もっと氷砂糖のレシピを知りたい人は

    全日本氷糖工業組合 | 旬の果実でおいしく楽しい氷砂糖

    画像: 新しょうがシロップのつくり方と、2つのアジアンスイーツ「豆花(台湾)&チェー(ベトナム)」のレシピ。炭酸水で割れば、自家製ジンジャーエールにも|氷砂糖で楽しむ家仕事/ワタナベマキさん

    氷砂糖でくらしをもっとカラフルに。梅酒づくりでおなじみの氷砂糖は、じつは梅以外の果実とも相性Good。色とりどりのフルーツを使って手づくりを楽しめる氷砂糖の世界、あなたものぞいてみませんか。

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    協力/全日本氷糖工業組合
    http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/

    〈料理/ワタナベマキ 撮影/林 紘輝 取材・文/河合知子〉

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