(『天然生活』2022年6月号掲載)
梅雨時の洗濯物の干し方
部屋に洗濯物を干すときはカーテンレールを使っているという人も多いと思いますが、「カーテンや壁の近くは、家の中でも湿気がたまりやすい場所。
雑菌の温床になるので、洗濯物を干す場所としては避けるようにしましょう」と本橋さん。
部屋干しの基本は、折りたたみ式のラックなどを活用して、できるだけ壁から離れた、風通しがよく湿気が少ない場所を選ぶこと。
乾燥させた浴室を部屋干しスペースにしたり、持ち家ならば壁に取り付けられるポールなどを設置して、洗濯物を吊り下げたりしてもいいですね。
洗濯物は上下に短く干す
洗濯物の水分は、干している間に上から下へと下がっていきます。たとえば、バスタオルを縦に長く干すと、下の部分に水分がたまって乾きにくくなります。
早く乾かすには、バスタオルの長い部分をジグザグにピンチハンガーに留めたり、イラストのようにM字に干したりして、水分が下がる距離を短くします。
ほかの洗濯物も同様に、できるだけ上下を短く干すのを基本とします。
扇風機で空気の動きをつくる
部屋干しでは、空気の流れをつくることが肝心。扇風機やサーキュレーター、エアコン、除湿機などをうまく併用します。
空気が流れればOKなので、強風にする必要はありません。ポイントは、水分がたまりやすい洗濯物のすその部分に風があたるようにすることと、首振り機能で風に動きをつけること。
除湿機は雑菌の温床にならないように、きれいに掃除して使いましょう。
アーチ型に干す
洗濯物をピンチハンガーに干すときも、ひと工夫するだけで乾き方に違いが出ます。
洗濯物の長さをバラバラに干すよりも、外側に長いものを、中央にしたがって短いものを干す「アーチ干し」がおすすめ。外側に風があたるので長くて乾きにくいものも早く乾きます。
また、中央のアーチ部分に風が通ることで、洗濯物全体が早く乾きます。風が通りやすいように干す方向を調整しましょう。
室内干しのお助けアイテム
扇風機
扇風機やサーキュレーターは部屋干しの強い味方。風を起こせばいいので、携帯用のミニ扇風機でもOK。エアコンのドライ機能と併用も。
固形石けん
石けんの純度が高く、液体や粉よりも洗浄力が強い。複合石けん、合成界面活性剤や蛍光増白剤配合は避けるようにして。
厚みのあるハンガー
服の内側にも空気が通るように、YシャツやTシャツは厚みのあるハンガーにかけて干す。肩部分に穴をあけて通気を確保するアイデア商品も。
リネンウォーター
洗濯物を干した直後に、アルコールに精油をプラスしたリネンウォーターをスプレー。雑菌の繁殖を抑える効果が期待できる。
<監修/本橋ひろえ イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋>
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。出産後、専業主婦となるが、自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説するナチュラルクリーニング講座をスタート。著書に『ナチュラルおせんたく大全』(主婦の友社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです