(『天然生活』2022年10月号掲載)
収納も設備も適材適所。後悔なしの「洗練」の台所
「第二の台所」ができたのは約1年前。義母の部屋として使っていた一室の台所を、いったんまっさらにして、ゼロからつくりました。
![画像: L字型のキッチンに、アイランドキッチンを組み合わせて、作業スペースも収納力も十分。よく使うツールは、飾るようにワークトップに並べている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/881aea53946888363cbde074f9c3befa0c952c20.jpg)
L字型のキッチンに、アイランドキッチンを組み合わせて、作業スペースも収納力も十分。よく使うツールは、飾るようにワークトップに並べている
考えたのはインテリアとの調和。オープンスペースゆえ、ほかの部屋とのつながり感は重要です。すると、イメージは定まって……。
![画像: 台所の対面にダイニングテーブルがあり、その後ろにはお茶のコーナーが](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/f1e42dcd57ba2a0bf8fa464289998e4b47d15846.jpg)
台所の対面にダイニングテーブルがあり、その後ろにはお茶のコーナーが
「ここは前の東京オリンピック(1964年)のころに建てられたヴィンテージマンション。前オーナーの好みや時代背景もあり、大理石が使われていたり、壁の一部が鏡になっていたりと、ちょっとクラシカルなインテリアなんです。床が濃いブラウンということもあり、ナチュラルな雰囲気は合わないだろうなと思い、キッチンの扉はダークな色味を選択しました」
![画像: 数百鉢もの植物が並ぶ約60m2のベランダガーデンから採取したハーブたち](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/3ef8ac406f118b5998d36c072f02609b89a6845b.jpg)
数百鉢もの植物が並ぶ約60m2のベランダガーデンから採取したハーブたち
こてらさんといえば、以前本誌でも紹介した「コックピットみたいな台所」がおなじみ。2畳の狭さながら、空きスペースにフックやバー、棚を取り付け、DIYで収納力を2倍3倍にしたみっちり感が魅力でした。そんな手づくりの台所とは一変、今度はすっきり、落ち着いた雰囲気です。
「以前は元々あったものに自分で足していきましたが、今度はゼロベースから。いままでの料理経験を反映し、4カ月ほどかけてじっくり練り、完成させました」
作業動線、器や道具の量、メンテナンスなど、いろいろなことを考慮してたどり着いた料理の場。
「ちょっとシャープでアーバンな感じ。最初はしっくりこなかったのですが、愛用する木工家・須田二郎さんの木の器やツールを並べたら、柔らかな印象になって、自分らしい台所になりました」
![画像: ライフワークともいえる瓶詰め保存食。しょうがとレモンのはちみつ漬け、ハラペーニョの塩漬けなど、旬のおいしさを閉じ込めて](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/24a7f68b45da8d52133728175a429c6c1008d9da.jpg)
ライフワークともいえる瓶詰め保存食。しょうがとレモンのはちみつ漬け、ハラペーニョの塩漬けなど、旬のおいしさを閉じ込めて
こてらみやさんの収納アイデア
シンクまわり
![画像: 熱にも傷にも強いセラミックの天板](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/df9816fcff33ca8a70c954862a673211f232ecca.jpg)
熱にも傷にも強いセラミックの天板
シンク上の吊り戸棚は、洗いかごの代わりに食器を乾かすスペースに。底面にはステンレス製のスパイス容器をマグネットで取り付けた。
![画像: 食器の片づけに網付きバットを活用](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/20498979249c899cb79b0ab8d700cd0f58e33fc2.jpg)
食器の片づけに網付きバットを活用
食器は洗いながら片づけていく。食器受けには網付きのバットを使用。網とバットの間にクロスを敷き、グラスを乾かす。
アイランドキッチン
![画像1: アイランドキッチン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/d878022602026f9c6715129d3c14137d174a9b8e.jpg)
ダイニングテーブル側の棚には、食器を収納。上の引き出しにはカトラリー、戸棚にはお皿を色や種類に分けて収納している。
![画像: 前も後ろも収納たっぷり](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/21103153b22a75d580c45776d31a1fcbfe2fe1ba.jpg)
前も後ろも収納たっぷり
台所側の下の引き出しには、鍋やボウル、ふたを入れている。ふた収納部には、ブックエンドで仕切りをつくり倒れないように固定。
![画像2: アイランドキッチン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2024/05/22/f7fad9a3ca850d756781d38fb343b34decf1e225.jpg)
プラごみ、瓶などのリサイクルごみは引き出しの中に。ごみ袋など、すべてのものは重ねず、立てて収納するのが取り出しやすさのポイント。
<撮影/濱津和貴 取材・文/鈴木麻子>
こてら・みや
フードコーディネーター・料理家。食べ物を中心に、暮らしのことを発信中。旬の食材を使った瓶詰め保存食を楽しむ。『生姜屋さんとつくった まいにち生姜レシピ』(池田書店)など著書多数。著書に『料理がたのしくなる料理』(アノニマ・スタジオ)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです