(『専門名医が教える!緑内障に効くたった2つの習慣』より)
放っておけば失明に……。
「緑内障」とは回復しない視神経の病気
「緑内障」という病気は、目の視神経に障害が起き、無治療のままでいると視野が狭くなっていってしまい、最終的には失明してしまう病気です。
現在、日本人の中途失明率1位が緑内障です。1989年以降、日本人の失明原因は糖尿病網膜症がトップだったのですが、現在の日本における失明原因の1位は緑内障になりました。
失明した人の実に4人に1人が緑内障によるものという状態なんです。緑内障=失明……と捉えてしまうと、とても恐ろしい病気なのですが、きちんと治療をすれば99%は失明することがないと言われています。
緑内障になる割合
40代で50人に1人、50代で34人に1人、60代で16人に1人、70代で10人に1人、80代で11人に1人
緑内障は白内障ほど知られていません。白と緑で色が違うだけで似たような名前ですが、病気としては全く別物です。白内障は水晶体というレンズが白く濁る加齢現象によって起こることがほとんどで、手術によって回復することが可能な疾患です。
対して緑内障は、目の奥の視神経がダメージを受ける神経の疾患なので、現在のところは回復することのない病気です。
視野欠損
初期・中期では視野が欠けていっても気づかず……。欠けた視野は治療しても回復しません!
緑内障の治療で進行をとめる
たった2つの習慣
きちんと通院する
緑内障は、他の検診を受けた際に偶然見つかることが多い病気です。
しかし自発的に検査を受け、早期発見できれば治療に有利です。
定期的に検査を受け、目の状態を観察し続けることが大事です。
きちんと目薬をさす
緑内障になったら、毎日目薬をさす必要があります。
ただ、日々の点眼を忘れてしまうことが多々あります。
点眼を習慣化し、継続して行っていくことで、緑内障をとめることができます。
まずは眼科へ!
視力がよくても検査が大事。早期発見で失明は防げます
痛くもかゆくもなく、徐々に進行する病気なので、発見が遅れることが多く、気づいたときには視野欠損がかなり進んでいることもあります。
なので早期発見、早期治療が非常に重要となります。
もちろん日々の食事や運動などの生活習慣も大事ですが、それはあくまで補助的なもので、緑内障を防ぐには不十分です。
通院と治療が最も大事になります。
<監修/真鍋 佑介 イラスト/森崎達也(株式会社ウエイド)>
真鍋 佑介(まなべ・ゆうすけ)
真鍋眼科・真鍋婦人科院長。「近視予防を広めたい」という意思から眼科医を志し、2015年から岐阜大学病院の眼科医として分野を問わず診療を行う。のちに緑内障専門医として診療と研究に従事。2021年から真鍋眼科・真鍋婦人科に勤務。なんでも相談できる「かかりつけ医」をモットーに患者を支えている。
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中途失明1位の緑内障。2つだけ守れば99%失明しません。
気づかぬうちに進行し、いつの間にか視界が欠けている……。「緑内障=失明」と捉えてしまうと恐ろしい病気ですが、きちんと検査・治療をすれば実は99%失明することはありません。緑内障は、日本の中途失明原因の第1位であり、日本人の40歳以上になると20人に1人がかかる身近な疾患です。しかし残念ながら、緑内障という病気はいまだに十分に周知されていない疾患で、未治療で放置されその結果失明率が下がらないのが問題となっています。
生涯失明しないように、病気を知ってしっかりと怖がり、そのうえで安心するための生活習慣、心構えを、最も信頼されている緑内障専門医の真鍋佑介先生がまとめてくれました。
この本が緑内障と長くうまくつきあえるきっかけになるはずです。