• 若葉の緑と日差しのまぶしさに目を細める、すがすがしい季節。初夏のさわやかさを家の中でも感じる工夫やアイデアを、フラワースタイリスト・増田由希子さんに教えていただきました。花と草木の力を借りて夏の準備を。花を飾ること、キャンドルを焚く楽しみを紹介します。
    (『天然生活』2020年7月号掲載)

    “さわやかさ”を意識して花を楽しむ。増田由希子さんの夏支度

    「自宅の庭や街の景色にみずみずしいグリーンが彩り始めると、夏の訪れを実感します」と話すフラワースタイリストの増田由希子さん。

    季節に応じて花を楽しむことは、もはや生活の一部。日に日に蒸し暑さが増すこの時季は「さわやかさ」を意識します。

    「夏は白やブルーのお花、グリーンをよく使い、ユーカリのスワッグも定番です。清涼感のある植物があると部屋も気分もぐんとさわやかに。ガラスの花びんや水の透明感を生かして、より涼しげに見えるように工夫しています」

    花や草木を活けることは、暮らしのすべてに結びつく

    花を活けるとき、増田さんは「余白」を大切にするといいます。あれもこれもと飾らずつくり込まず、あえてスペースを空けることで花の魅力を際立たせるのです。

    「部屋も同じですよね。ものが多く散らかった場所にお花は映えないから、まず片づける。これも日々心がけています」

    暮らしに飾る花は、ファーマーズマーケットで手に入れるお買い得のブーケや鉢物、庭木の枝や花、ハーブ、木の実など、身近なものが中心。

    活ける器は花びんだけでなく、アンティークの食器から実験用のフラスコ、リネンのバッグやかごまで自由に使います。

    「お花に『こうでなきゃ』はありません。気軽に1輪から、またはハーブからでも始めてみては」

    増田由希子さんの夏支度
    花を飾る

    画像: 光が注ぐ気持ちのいい空間に、カンパニュラ、アリウム、スノーボール、バイモユリの淡い色彩が引き立つ

    光が注ぐ気持ちのいい空間に、カンパニュラ、アリウム、スノーボール、バイモユリの淡い色彩が引き立つ

    季節ごとに活け方を工夫しながら、花はいつも欠かしません。夏は3~4種類の花を1本ずつ花びんに挿して1カ所にまとめて飾ることが多いそう。水が濁りにくくなって花が長持ちし、見え方も新鮮に。

    「花びんをガラス素材で統一すると涼しげに、花に高低差をつけるとリズム感が出ます。毎日水を換えて茎のぬめりも落としましょう。茎がしっかりしたお花や枝ものはもちがいいですよ」

    増田由希子さんの夏支度
    キャンドルを焚く

    画像: 専用のガラスカバーを使えば、安心して香りと灯りを楽しめる

    専用のガラスカバーを使えば、安心して香りと灯りを楽しめる

    日頃から気分を変えたいとき、お気に入りの「ディプティック」のキャンドルを焚くという増田さん。

    「お店でいろいろ試して、ヴェルヴェーヌという柑橘ベースの香りを選びました。さわやかでほのかに甘いこの香りに包まれると、自然と心が落ち着きます」

    たとえば、暑さが和らいだ夏の夕暮れに、キャンドルの灯りだけで過ごす。そんなひと時も心を整える手だてとして活躍してくれます。



    〈撮影/有賀 傑 取材・文/熊坂麻美〉

    増田由希子(ますだ・ゆきこ)
    花教室の講師や展示会などの装花を行うほか、インスタグラムで発信する花のスタイリングも人気。著書に花とお菓子の楽しみを提案した『花とお菓子』(立東舎)など。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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