• 料理研究家の松田美智子さんに発酵トマトの炊き込みごはんのつくり方を教えていただきました。発酵トマトのほどよい酸味が食欲をそそります。冷めてもおいしいのでお弁当にもおすすめです。

    ミニトマトのこと

    画像: ミニトマトのこと

    小さいサイズで使いやすいミニトマト。栄養価が高く、とくに赤色のミニトマトは通常のトマトよりβ-カロテンが多く含まれています。

    へたが濃い緑色でピンとしていて、実が濃い赤色で、皮にしわがなくハリがあるのが新鮮なミニトマト。これから旬を迎えるミニトマトでさまざまな料理を楽しみましょう。

    発酵トマトのこと

    画像: 発酵トマトのこと

    近年、発酵食品が話題ですが、先人たちは野菜がもともと持っている乳酸菌を生かし、日々の料理に使っていました。そのひとつがトマトと塩でつくる「発酵トマト」。

    トマトを常温で発酵させると傷んでしまうのではと心配になるかもしれませんが、“塩”を入れることで野菜から水分が出て、塩水に野菜が浸かるように。腐敗菌は塩分を嫌い、乳酸菌は塩分に強い菌なので、腐敗菌をよせつけない環境をつくります。

    また、乳酸菌は酸素がなくても生きることができるので、新たな腐敗菌が入らないようジッパー付き保存袋などに入れて空気に触れさせないようにしながら、発酵を進めることができます。

    発酵トマトのできあがりはうま味の強いおいしいトマトソースのよう。少し加えるだけで深みのある味に仕上がります。さらに発酵トマトは腸の働きを活性化させ、免疫力の向上をサポートしてくれる健康維持の強い味方です。

    発酵トマトのつくり方

    へたをつけたまま使うとトマトの青々しい風味が。赤とうがらしと米酢を少し加えて発酵を促します。

    材料(つくりやすい分量)

    画像: 材料(つくりやすい分量)
    ● ミニトマト500g
    ● 塩10g
    ● 赤とうがらし1cm
    ● 米酢大さじ2

    つくり方

     ミニトマトは水で洗い、ペーパータオルでよく水けを切っておく。水分が出やすくなるように包丁の先を使い、切り込みを入れる。へたはそのままつけておく。

    画像1: つくり方

     清潔なびんなどの保存容器にを入れ、途中で塩を数回に分けて加え、赤とうがらしを入れる。

    画像2: つくり方

     ミニトマトがすべて入ったら、最後に残りの塩と米酢を入れふたをする。

    画像3: つくり方

     水分が上まで上がってくるまで常温で数日(夏なら丸1〜3日)置いておく。水分が出て、ぶくぶくと気泡が出てきたら発酵が進んだ合図。ふたをして冷蔵庫で1週間ほど保存できる。1日1回ふたを開け上下が替わるように混ぜる。

    画像: 数日後の発酵が進んだ状態

    数日後の発酵が進んだ状態

    発酵トマトの炊き込みごはんのつくり方

    画像: 発酵トマトの炊き込みごはんのつくり方

    アスパラガスは食感を残すため、炊き上がりに加えるのがポイント。香りと色、甘みが引き立ちます。

    材料(2〜3人分)

    画像: 材料(2〜3人分)
    ● 米2カップ
    ● 発酵トマト1カップ
    ● ナンプラー大さじ2
    ● 白ワイン大さじ2
    ● アスパラガス5本
    ● 塩小さじ1/2
    ● オリーブオイル大さじ1
    ● 白こしょう(粗挽き)少々

    つくり方

     米を研ぎ、ざるにあげ、15分浸水させておく。

     アスパラガスは根元を曲げて折れるところで折り、ピーラーで袴を取るようにところどころ皮を縦にむき、小さめの乱切りにする。ボウルに入れ、塩とオリーブオイルをなじませておく。

    画像4: つくり方
    画像5: つくり方

     発酵トマトはざるを使い、ミニトマトの果肉と汁に分ける。トマトを少しつぶしながら水分を切るようにする。果肉は粗いみじん切りにする。このときへたに包丁が入るようにする(へたは取り除いてもいい)。汁は計量カップに入れ、白ワイン、ナンプラー、水を加え、400mLになるように水を足す。

    画像6: つくり方
    画像7: つくり方
    画像8: つくり方

     土鍋に米とを入れて混ぜる。強火にかけ、ふいてきたら全体を大きく混ぜ、弱火にして10分炊く。炊き上がったらを全体に広げるようにして入れ、10分蒸す。

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    画像10: つくり方

     白こしょうをふり全体を大きく混ぜて、器に盛る。


    〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司 取材・文/村上有希〉

    画像11: つくり方

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命 』(文化出版局) amazonで見る など。
    インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu

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    画像: 発酵トマトの炊き込みごはん|松田美智子の季節の仕事

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