• 家族の一員であるペットも一緒に年を重ねていきます。ペットのほうが人間より寿命は短いとはいえ、自分の老後にきちんと世話ができるかどうか、またペットを残して自分が先に死んでしまうことに不安を持っている方も多いのではないでしょうか。相続実務士®の曽根恵子さんに、大切なペットが路頭に迷わないための準備について教わります。
    (『子のいない人の相続準備』より)

    ペットのための準備

    ペットを飼うなら、ペットの人生にも責任を持たなければならず、自分が先の場合のことを考えて、生前にペットのための準備をしておくことも大切です。

    考えられる最善の方法は、自分の死後に信頼できる親族や友人などに引き取ってもらうことです。ペットはいろいろな費用がかかりますので、ペットの飼育料となるお金も渡しておくか残せるようにしておきましょう。

    引き取り手がいない場合は......?

    『子のいない人の相続準備』(扶桑社ムック)より、ペットにまつわる2つのサービスを紹介します。

    ペット信託

    親族や友人に引き取り手がいない場合に利用したいのが「ペット信託」というサービスです。

    画像: ペット信託

    これは、ペットを引き取ってもらう人(受託者)と生前に契約し、ペットの飼育料金を信託財産として預けるしくみです。

    そして、ペットの面倒をみられなくなったり、自分が亡くなったときに受託者に信託財産とペットを引き渡すことになります。

    ペット信託を提供しているのは信託銀行や行政書士法人などなので、受託者が契約を履行しているかを信託監督人が監督するしくみもあり安心できます。

    老犬・老猫ホーム

    老いた犬や猫を飼い主に代わって世話をする「老犬・老猫ホーム」というサービスもあります。

    施設によって料金が違います。大切なペットの引き取り先としてふさわしいかを見極めるために、事前に施設見学をして確認しましょう。

    ペットは相続財産ではありませんが、何の準備もせずに亡くなってしまうと、ペットの世話をする人が誰もいないという状況に陥る可能性もあります。

    自分の老後の生活を癒やしてくれた大切なペットのためにも、ペットの引き取り先は元気なうちに決めておきましょう。



    <監修/曽根恵子 執筆/小野憲太朗、小高希久恵 イラスト/奥川りな>

    曽根恵子(そね けいこ)
    相続実務士®。公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、株式会社夢相続代表取締役、一般社団法人相続実務協会代表理事。相続実務士®の創始者として、1万5000件以上の相続相談に対応。3000件以上の実務実績を持つ。感情面、経済面に配慮した「オーダーメード相続」を提唱し、「相続プラン」の提案にて実務もサポート。家族の絆と財産を守る“ほほえみ相続”をサポートしている。『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2024年版』(扶桑社)、『いちばんわかりやすい 相続・贈与の本 ‘22~’23年版』(成美堂出版)などの監修を手掛ける。著作も多数。

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