(『天然生活』2023年10月号掲載)
リラックスする
このステップは、心身をじっくりほぐし、リラックスモードの副交感神経が優位に働くように促していくのが目的です。
「ストレッチは、深い呼吸とともに行うことが大切です。交感神経が優位の日中は胸式呼吸で呼吸が浅くなりがち。おなかに息を入れてゆっくり吐き出す腹式呼吸で副交感神経を高めることができます」
また、ギュッと力を入れてパッと脱力するストレッチは、より筋肉がほぐれる効果があるそう。
「全力の状態から脱力することで血流が効率よく上がるのです。全力手合わせと疲れ目ストレッチは、緊張と弛緩を意識してやってみてください。このふたつは、家事や仕事の休憩中などに行えばリフレッシュにも役立ちますよ」
全力手合わせ
精神を安定させる効果のある「合掌のポーズ」と腹式呼吸を組み合わせたエクササイズ。
力を入れて抜くことを呼吸とともに繰り返すうちに、体が徐々にほぐれて心も落ち着いていきます。
肩がすくまないように気をつけ、なるべく頭を空っぽにして行いましょう。

① ベッドなどに腰掛け、左右の手のひらを胸の前で合わせる。鼻からゆっくり息を吸い、おなかを膨らませる。

② 口から息を吐きながら両手を全力で押し合う。手が体の中心からずれないように左右の力を均等にし、5秒キープしたら力を抜く。①~②を5回繰り返す。
疲れ目ストレッチ
目の疲れは自律神経のバランスを乱し、頭痛や肩こりの原因にも。1日酷使した目のまわりの筋肉をほぐすことで、副交感神経が優位になり、睡眠に入る準備が整います。
蒸しタオルなどで目元を温めることも有効。疲れ目をいやし、自律神経の乱れを解消してくれます。

① 左右の目を交互にギュッとつぶる。だんだんスピードアップしながら左右5回繰り返す。

② 両目をギュッと閉じ、パッと見開く。これを5回繰り返す。
<監修/白濱龍太郎 取材・文/熊坂麻美 イラスト/イオクサツキ>
白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立し、約2万人の睡眠の悩みに向き合ってきた。企業での講演活動のほか、東京オリンピックでは選手のサポートも担当。テレビや雑誌などのメディアにも数多く出演し、睡眠の大切さを伝えている。著書に『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです