• 物価高騰が続くいまこそ、日々を見直す好機。これからの暮らしのヒントを主婦の仁平里帆さんお聞きしました。今回は、仁平さんの「使わない、工夫のある暮らし」を伺います。
    (『天然生活』2023年6月号掲載)

    近所の人々と分かち合う暮らしの知恵や楽しみ

     仁平さんが日々実践している昔ながらの生活の知恵は、本や雑誌から得たものも。ただ、それ以上に大きいと語るのは、お世話になっている近所の人々の存在です。

    「植物に詳しい人、縫い物が得意な人など、それぞれに得意分野をもつ素敵な人たちが多いんです。今日も、雑巾がけをしていたらズボンの膝下の部分が破れてしまったので近所の人に相談したら、その場でさっと繕ってくれました。みんなで情報交換したり、暮らしの知恵を共有したり。そのことにすごく助けられています

    和紙を使ったポチ袋も、お世話になっている方に教わったものを参考に、再生紙の活用法として取り入れています。

    おかずを分けてもらう際につくり方を聞くこともあるそう。ひとりでは身につけるのに限界がある知恵が、みんなで分かち合うことで広がる。

    昔の女性たちはこうやって助け合って暮らしていたのかもしれないと実感する日々です。

    「教えてもらった知恵や楽しさを、今後は下の世代に伝えたい。そんな気持ちも芽生え始めています」

    使わない
    専用の紙を使わない

    「ご近所の方からお菓子や日用品などを頂く際、和紙で軽く包まれていることが多いんです。その和紙がきれいで、捨てるのがもったいなくて」

    画像: 和紙のポチ袋はまとめてつくってかごに保管

    和紙のポチ袋はまとめてつくってかごに保管

    便箋にしたり、障子に貼ったり、近所の人に教わった方法でポチ袋をつくって、ちょっとしたお金などを渡す際に使ったり。楽しみながら、さまざまな紙の代わりにしています。

    画像: 障子の破れたところは和紙で補修。「時間がたてば障子紙となじんで見た目も素敵になるはず」

    障子の破れたところは和紙で補修。「時間がたてば障子紙となじんで見た目も素敵になるはず」

    使わない
    保存容器をなるべく使わない

    専用の保存容器はなるべく買わず、ジャムの空きびんなどを再利用して食品や調味料を保存しています。

    画像: パスタやスパイス、豆などを大小さまざまな空きびんに入れている

    パスタやスパイス、豆などを大小さまざまな空きびんに入れている

    「あるものを生かす意味合いもありますが、カラフルなものが多い市販品に比べて、空きびんは目にやさしいところも好き。透明のびんに入れて並べると統一感も出るので、家事をしているときに目に入ると心地いいんです」



    <撮影/星 亘 取材・文/嶌 陽子>

    仁平里帆(にへい・りほ)
    「仁平古家具店」「pejite」を営む夫の透さん、息子の天音くんと3人暮らし。二十四節気や七十二候などの暦や月の満ち欠けを意識しながら家事や育児にいそしんでいる。里山での暮らしを暦とともに写真と言葉で綴ったインスタグラム@_______aunでは、土地の野菜を使った料理や保存食、自宅周辺の美しい自然が見られる。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.