• インドの国民食ともいえる「豆カレー」。ベジタリアンのたんぱく源といわれるほど栄養価が高く、スパイスと合わせることでさらに薬膳効果もアップします。本記事では、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんの著書『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)より、豆の健康パワーと、「基本の大豆カレー」のつくり方をご紹介します。

    たんぱく質を多く含み、“畑の肉”ともいわれる「大豆」

    画像: たんぱく質を多く含み、“畑の肉”ともいわれる「大豆」

    一般的に「大豆」といわれているのは黄大豆で、熟した豆の色によって黒豆(黒大豆)青大豆に分類されます。

    豆の中でもたんぱく質の割合がひときわ多く、含有量が約30%にも達することから「畑の肉」といわれます。

    基本の大豆カレーのつくり方

    画像1: 基本の大豆カレーのつくり方

    かつて「ペイズリー」(香取 薫さんが主宰する料理教室)でカレーの通販をしていたときの人気メニュー。隠し味にしょうゆを使うと、いっそうご飯が進む味になります。もともとは東インドのレシピなので、できたらマスタードオイルを使ってください。

    画像2: 基本の大豆カレーのつくり方

    材料(4人分)

    ● 大豆(乾燥)120g
    ● 玉ねぎ2個(500g)
    ● トマト2個(300g)
    ● にんにく3かけ(30g)
    A 豆ゆで用
    ・ターメリック小さじ1/2
    ・サラダ油小さじ1
    スターター(※1)
    ・サラダ油80mL
    ・マスタードオイル80mL
    ・ブラウンマスタードシード(※2)小さじ2/3
    ・クミンシード小さじ2/3
    ・ヒーング(※3)小さじ1/5
    B
    ・ターメリック小さじ1/2
    ・塩小さじ1
    C 調合するもの
    ・レッドペッパー小さじ1/3
    ・コリアンダーパウダー小さじ2
    ● しょうゆ大さじ1
    ● ブイヨンスープ600mL
    ● 香菜(きざむ)適量

    ※1:スターターとは料理の最初に炒めるスパイスのことで、油に香りを移し、薬効を出すことが目的。

    ※2:スタータースパイスとして、とくに南インド料理で使うことが多い。イエローマスターシードでも代用可。

    ※3:駆風作用があり、豆料理に欠かせない。菜食料理のときのうま味出しとしても使われる、ベジタリアンにはとくに重要なスパイス。

    つくり方

     大豆はさっと洗い、水500mL(分量外)に8時間浸水させる。

     を水ごと鍋に移してAを混ぜ、ふたをして強火にかける。煮立ったらふたをずらしてのせ、弱火で50分ゆで(途中、水が少なくなったら足す。ややかためにゆでる)、ざるに上げる。

    圧力鍋の場合

    を水ごと圧力鍋に移してAを混ぜ、ふたをして強火にかけ、高圧がかかったら弱火で8分加圧する(ややかためにゆでる)。急冷し、ざるに上げる。

     フードプロセッサーに玉ねぎ、トマト、にんにくを入れて回し、ペースト状にする。

     鍋にスターターのサラダ油、マスタードオイルを中火で温め、ブラウンマスタードシードを数粒落とし、弾け始めたら残りのブラウンマスタードシードを入れ、ふたなどで飛んでくる粒をガードしながら(写真a)クミンシード、ヒーングを入れて(写真b)さっと混ぜる。

    画像: (a) ブラウンマスタードシードを入れ、ふたなどで飛んでくる粒をガード

    (a) ブラウンマスタードシードを入れ、ふたなどで飛んでくる粒をガード

    画像: (b) クミンシード、ヒーングを入れてさっと混ぜる

    (b) クミンシード、ヒーングを入れてさっと混ぜる

     ブラウンマスタードシードの音が弱まりクミンシードにこんがり色がついたらすぐにを流し入れ(写真c) 、すぐにBを加える。

    画像: (c) クミンシードにこんがり色がついたらすぐに3のペーストを入れる

    (c) クミンシードにこんがり色がついたらすぐにのペーストを入れる

    煮詰まって水分がなくなり焦げ茶色になって油が染み出してきたら(写真d) 混ぜたC、しょうゆを加える。

    画像: (d) 水分がなくなり焦げ茶色になって油が染み出してきたところ

    (d) 水分がなくなり焦げ茶色になって油が染み出してきたところ

     の大豆を入れてソースをよくからめ、ブイヨンスープを入れてよく混ぜ、煮立ったらふたをして弱火で40〜50分煮る。器に盛り、香菜をトッピングする。

    圧力鍋の場合

    を圧力鍋に移し、の大豆を入れ、ソースをよくからめ、ブイヨンスープを入れてよく混ぜ、ふたをして強火にかけ、高圧がかかったら弱火で7分加圧し、急冷し、同様につくる。

    市販の水煮缶などの大豆を使う場合

    正味300gをの豆を入れるタイミングで加える。仕上がりは、やややわらかめになる。

    ◎ 白いライスに合うカレーです。また、ミキサーでなめらかにし、倍量の水で薄めて温めるとスープになります。

    〈撮影/広瀬貴子 スタイリング/池水陽子〉

    ※ 本記事は『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)からの抜粋です。

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    『世界一おいしい 豆カレー』(香取 薫・著/誠文堂新光社・刊)

    画像: 基本の「大豆カレー」のつくり方。世界一おいしい豆カレー/インド・スパイス料理研究家・香取 薫さん

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    インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんは、インドでスパイス料理に魅せられ、さまざまな地方を歩き、現地の主婦から本場の家庭料理を習い、研究しています。そんな著者がインドで毎日のように食べられているダールや、北インド・パンジャーブ州の名物・チャナー豆紅茶煮カレー、北インドの伝統料理・ラージマー豆とウーラド豆のダールマクニー、日本の食材も使った大豆と切り干し大根のカレーなど副菜も合わせて52品を紹介します。使用したスパイスの特徴も掲載、インド料理の基本であるスタータースパイスの炒め方や玉ねぎの炒め方は、プロセス写真入りです。


    香取 薫(かとり・かおる)

    画像: つくり方

    インド・スパイス料理研究家。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。
    1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイスをふんだんに使った料理に魅せられ、インド料理を研究し始める。全土を自らの足で渡り歩き、各地の主婦や数々のレストランの料理人、ホテルのシェフに料理を教わり、インドの多彩な食文化の上に成り立つレシピを習得してきた。1992年に東京・三鷹市に料理教室を立ち上げて以来、30年以上にわたってスパイスの普及とインドの文化の紹介に取り組んでいる。

    キッチンスタジオ ペイズリー
    https://curry-spice.jp



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