おいしくて、栄養たっぷり! インドの食を支える「豆カレー」
インドで毎日のように食べられている豆カレー。
豆はベジタリアンの多いインドの食を支えるたんぱく源であるとともに、保存の利く食材として利便性が高く、また、アーユルヴェーダの知見からも健康によい食材として知られています。
皮ごと使ったり、ペーストにしたりと調理法はさまざまで、スパイスと合わせることでさらに薬膳効果が加わる……。
そんな計り知れない可能性を秘めた豆カレーのつくり方をインド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えていただきました。
豆が持つ、4つの健康パワー
1.腸内環境を整える
豆には食物繊維がたくさん含まれていて、腸の働きを整え、便秘を防いでくれます。ダイエットや美肌につながるほか、腸内環境を整えることにより免疫力もアップします。
2.抗酸化物質たっぷり
小豆やラージマー豆(金時豆)などの赤い色には、ポリフェノールがたっぷり。ポリフェノールは活性酸素を除去する働きがあり、免疫力を高めるといわれます。大豆に含まれる、イソフラボンも抗酸化物質です。
3.ビタミンB群が豊富
豆類は、ビタミンB1、B2、B6などを豊富に含みます。これらのビタミンは、食事からとった糖質や脂質、たんぱく質を分解し、エネルギーに変える手助けをする役割があり、身体の調子を整えるのに欠かせません。
4.高たんぱく低脂肪
たんぱく質は筋肉や皮膚などをつくる重要な栄養素ですが、現代の食事は脂質過多になりがちなため、高たんぱくで低脂肪の豆類が注目されています。特に大豆は、体内でつくれない必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。
〈撮影/広瀬貴子 スタイリング/池水陽子〉
※ 本記事は『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)からの抜粋です。
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インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんは、インドでスパイス料理に魅せられ、さまざまな地方を歩き、現地の主婦から本場の家庭料理を習い、研究しています。そんな著者がインドで毎日のように食べられているダールや、北インド・パンジャーブ州の名物・チャナー豆紅茶煮カレー、北インドの伝統料理・ラージマー豆とウーラド豆のダールマクニー、日本の食材も使った大豆と切り干し大根のカレーなど副菜も合わせて52品を紹介します。使用したスパイスの特徴も掲載、インド料理の基本であるスタータースパイスの炒め方や玉ねぎの炒め方は、プロセス写真入りです。
香取 薫(かとり・かおる)
インド・スパイス料理研究家。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイスをふんだんに使った料理に魅せられ、インド料理を研究し始める。全土を自らの足で渡り歩き、各地の主婦や数々のレストランの料理人、ホテルのシェフに料理を教わり、インドの多彩な食文化の上に成り立つレシピを習得してきた。1992年に東京・三鷹市に料理教室を立ち上げて以来、30年以上にわたってスパイスの普及とインドの文化の紹介に取り組んでいる。
キッチンスタジオ ペイズリー
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