• 体の変化や不調がさまざまなかたちで現れる「更年期」。別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』(扶桑社ムック)より、源保堂鍼灸院・瀬戸佳子先生に教わった、更年期の症状と、食事や暮らしの養生で、ゆるやかに乗り切る知恵を紹介します。

    更年期の“症状”を知る

    更年期の不調が出る前から少しずつ養生を

    画像: 更年期の不調が出る前から少しずつ養生を

    女性が生きていくうえで、避けて通れない更年期。

    生理周期の乱れはもちろん、ホットフラッシュやめまい、不眠、頭痛、肩こりに腰痛、イライラや落ち込み、気力の低下といった精神面の不調まで、症状はさまざまです。

    更年期とは?

    閉経の時期を挟んだ前後約10年間のこと。卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が急激に減少し、ホルモンバランスがくずれ、心身にさまざまな不調が現れるとされている

    更年期の主な症状

    ⚫︎ホットフラッシュ(のぼせる、汗が出る、顔がほてる)
    ⚫︎︎︎疲れやすい
    ⚫︎肩がこる(四十肩/五十肩)
    ⚫︎頭痛
    ⚫︎気分が落ち込む
    ⚫︎不眠 など

    更年期の“不調の要因”を知る

    更年期の不調の要因は、「肝」と「腎」の働きの低下

    画像: 更年期の不調の要因は、「肝」と「腎」の働きの低下

    五臓のうち更年期に深く関わる「肝」と「腎」。 その働きを理解すると、不調の原因がわかります。

    「肝」の役割は主にふたつ。ひとつは「気(体を動かすエネルギー)」や「血(西洋医学における血液)」の流れをのびやかにして、全身に行き渡らせる「疏泄(そせつ)」と呼ばれる作用。

    ふたつ目は「血」の貯蔵です。全身に必要な量だけ「血」を送り届け、潤いを与えます。「肝」は「血」が満たされていれば、機能を存分に発揮できますが、貧血には要注意です。

    「腎」の主な役割は、生きるのに必要な生命エネルギー「精」を蓄えておくこと。この「精」が、成長・発育や生殖、老化に関わってきます。生まれたときに親からもらった「腎精」を保持しつつ、食べ物から得た「精」で補塡しながら、生命活動を行います。

    更年期の“症状”3種

     熱っぽくなる「肝陽上亢」

    画像: 1 熱っぽくなる「肝陽上亢」

    「肝」の潤いがさらに減ってのぼせがひどくなり、熱の症状が強くなった状態が「肝陽上亢」です。

    熱は上にこもるので、イメージとしては頭から湯気が出ているような感じ。体格がいい人、体力のある人がこの症状になることが多いです。

    「肝」は弱まると感情のコントロールがしにくくなり、怒りの感情が出やすくなりますが、「イライラ」というレベルではなく、いきなり激しく人を罵倒したり、上から指図したりといった行動も。

    血圧が高くなることも多く、耳なりや頭痛にも要注意です。

     心が不安定になる「心腎不交」

    画像: 2 心が不安定になる「心腎不交」

    「腎」は「陰」の性質を持ちます。五臓の仲間であり、全身に血を送り出す役割を果たす「心(しん)」は「陽」の性質。

    陰陽は交流し合いながらバランスをとっているものですが、「心腎不交」とは陰陽がバラバラになってしまった状態のことで、自律神経やホルモンバランスの不調が現れます。

    具体的には、夜に眠れない、気持ちがざわざわして心配がとまらない、動悸が激しくなるといった症状です。

    もともと神経質だったり、心配性だったりする人がなりやすい傾向にあります。

     冷えやすく、ふんばりが利かない「腎陽虚」

    画像: 3 冷えやすく、ふんばりが利かない「腎陽虚」

    「腎」が弱まってさらにバランスがくずれ、体を温める熱源が減ったような状態が「腎陽虚」です。

    もともと冷え性や体力がない人、高齢出産で「血」の消耗が激しかった人などが陥る状態です。

    下半身の冷えが強まり、足腰が弱まって、腰痛や失禁、夜間尿に悩まされることも。まるで老人の悩みのようですが、まさに更年期と老化が一気に来てしまったようなイメージです。

    「疲れ」の度合いも、単なる「だるい」というレベルではなく、クタクタでふんばりが利かない感じです。

    別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』

    別冊天然生活 心と体が若返る小さな習慣 (扶桑社ムック)

    別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』(扶桑社ムック)

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    お金をかけず、少し手をかけて健康になる
    暮らしを楽しむには、心と体の健康が大切です。心と体、お財布にもやさしく健康を保つには、元気なうちから体にいい習慣を実践して、不調や病気になりにくい暮らしをすることです。この本では、そんな、生き生きとした暮らしを送っている素敵な皆さんの健康習慣や、医師や専門家が教える、簡単に取り入れられる健康習慣、脳と心の健やかさを手に入れる方法を紹介します。健康を支えるタンパク質とカルシウムがたっぷり摂れる料理や、薬膳効果のあるスープのレシピも掲載しています。健康習慣を始めるのは、いくつになっても、遅すぎることはありません。自分だけではなく、家族のためにも健康寿命を延ばす習慣を暮らしに取り入れてみませんか。

    目次

    1章 あの人の健やかさの秘訣

    三上津香沙さん 下半身を温め、ゆるめて、めぐりのよい心と体に
    大橋マキさん 地元に育つ和ハーブで体を健やかに保つ
    德田民子さん 暮らしも健康も「ゆるやかなルール」で
    引田かおりさん バランスを大事にして、体と上手につきあう
    しらいのりこさん よい習慣を増やすことが、おのずと太らない暮らしに
    山田奈美さん 旬の食材と発酵食を毎日の食事に取り入れて

    2章 元気で若々しい体をつくる習慣&エクササイズ

    免疫力を高める朝の習慣
    健康寿命を延ばすお風呂の入り方
    血流をよくする1分エクササイズ
    心と体をゆるめる寝る前のストレッチ
    やせて、冷えにくい体をつくるねじれ筋伸ばし
    脳を若返らせる習慣

    3章 気になる症状を整える

    頭痛とうまくつきあう
    更年期を穏やかに過ごすための養生
    草薙龍瞬さん 満たされて暮らす新しい心のあり方
    タンパク質・カルシウムごはん
    薬膳デトックススープ



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