(『天然生活』2022年6月号掲載)
身近で、すこやかに心身を整えてくれる野草茶
朝たっぷりと淹れて、なくなれば足し湯して。食事のときも、おやつの時間も、一日中ずっと野草茶。
「日の茶」野﨑幹子さんは日常のお茶として家族で楽しんでいます。
「ノンカフェインなので、夜遅い時間に楽しめるのも、野草茶のいいところですね。眠る前に飲むと、心も体も気持ちよくゆるんでリラックス。質のいい眠りにつながります」
生活に関わる仕事がしたくて雑貨店に勤めていたとき、ハーブティーと出合った野﨑さん。
自分でブレンドしたり、アロマを学んだり、日々楽しむうち、日本の植物に目を向けるようになりました。
「華やかに香るハーブティーに比べ、野草茶は主張しすぎないので飲みやすく、体に染み込んでいくような深みがあります。野草は私たちのすぐそばで自生しているもの。『身土不二』という言葉がありますが、その土地にあるものは、体になじみ、助けになってくれる。野草茶はまさにそう、日本人の体質や好みに合っていると思います」
野草に“触れる”ことも心身のリフレッシュに
昔から民間療法としても親しまれてきた、野草茶。
ドクダミ茶、柿の葉茶、桑茶というふうに、よく単体で煮出して飲まれますが、野﨑さんは何種類かブレンドし、お湯を注いで淹れて気軽に楽しんでいます。
野草を軸に豆類やスパイスといった、体にいい素材とも組み合わせることで、おいしさも効能もアップします。
「ちょっと風邪っぽいなとか、子どものおなかの調子がよくないなとか、毎朝、家族の体調や天気を見ながらその日飲むブレンドを決めています。朝たっぷり淹れて、保育園に通う子どもの水筒にも。子どもは自己治癒力が高いので、ちょっと薄めて入れています。急須で淹れても、煮出しても、お湯の量もお好みで。気楽に楽しんで飲むのが一番」
休みの日には家族みんなでドライブがてら、野山へ野草を摘みに行くことも。リフレッシュできる、いい時間になるそうです。
「花が咲いたり、実がなったり、植物にパワーがあるときが摘み時ですね。植物に触れることでも、パワーがもらえます」
摘んできた野草は軽く水洗いして、ざるに広げて干し、ごく弱火で乾炒り。炒るときも、お茶を淹れるときも、香りを感じながら。
自然のなかでたくましく息づく野草に力をもらって、毎日すこやかに。
〈撮影/辻本しんこ 取材・文/宮下亜紀〉
野﨑幹子(のざき・みきこ)
「日の茶」主宰、野草茶ブレンダー。東洋医学やアロマなどの観点から日本のハーブとして野草茶を提案。上賀茂手づくり市などに出店。その人に合わせたブレンドのメールオーダーも。
野草茶ブレンド 日の茶 京都 hinocha kyoto
インスタグラム:@hinocha_kyoto
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです